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9月上旬に東京・羽田空港のイベントスペースで開催された大雪圏域の物産展。商品の売れ行きや人の流れを見ながら、その場でPOP広告を書き加えていきます。「お客さんが知りたいことをメッセージにしています。それは現場でしか分からないことなので、私はいつも売り場を観察することを大切にしています」。
大学では臨床心理学を学び、卒業後は札幌の大手ドラッグストアに就職しました。任されたのは化粧品の販売促進。月300~400万円の目標を達成するためにできることは何かを考え、それまで売り場でお客さんに声掛けしていたのをやめて、POP広告と陳列方法を工夫することにしました。
向かいの大型店のお客さんを誘導するためには、紙を20枚ほど貼り合わせて、大きく「2割還元」と掲示しました。「うちは割引ではなく、ポイント還元しかできなかったので、少しでも興味を引いてもらうための作戦です」。
商品の陳列方法も、例えば口紅をまっすぐ立てるだけの展示をやめて、モビールのように吊り下げて動きのある見せ方にしました。お客さんへのダイレクトメールの宛名も、シールではなくすべて手書きに変更。手製のスクラッチを付けて景品を用意するなど、イベント感を演出してお店に来てもらえるようにしました。そうした取り組みを続けるうちに、全店舗の中で目標達成率1位になることができました。
ドラッグストアの販促を続ける中で気付いたことがあります。それは、販促は心理学だということです。お客さんのニーズは何か、陳列でどういった印象を与えるか。例えば、ハイブランドの商品は整然と並べるのがセオリーで、地場産品などはちょっと崩して陳列した方が売れ行きがよいなど、様々なノウハウを実践の中から学びました。
POPコンサルタントとして独立後は、各地の商工会からの依頼で、会員事業所の販促アドバイスやPOPの書き方のセミナー講師を務めています。物産展などの現場に出向いて商品陳列やPOP制作の機会も増えました。コロナ禍の大学の客員講座では、学生たちにPOPを使った自己紹介をしてもらい、そこからコミュニケーションが深まったこともあります。
「実際にPOPを書く作業は、仕事全体の3割くらいと思っています。大切なのは、お客さんの気持ちや世の中の流れを読み取ること」。手書きにこだわっているのは、語り掛けるような広告を心掛けているからです。
「POPを通じて、売り上げを伸ばすお手伝いをするのと共に、お客さんとのコミュニケーションが広がればうれしい」。
ヒロPOPオフィス
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