- 往年の巨人軍選手の直筆サインを眺めながら、現役時の成績やドラフトのこぼれ話などを語る小山さん。クロマティや呂明賜(ろ・めいし)など助っ人外国人選手の色紙やサインボールもあります。ちなみに小山さんの作務衣の下のTシャツは、普段着まわしている25枚くらいのうち、20枚ほどがジャイアンツ関係(笑)
旭川市大町1ノ4の「そば処まるかめ」に、プロ野球・読売巨人軍の往年の名選手の直筆サインが壁いっぱいに掲示されています。その数、およそ30枚。長嶋茂雄、王貞治、原辰徳、篠塚和典、斎藤雅樹、桑田真澄ら時代時代のスター選手の名に巨人ファン、アンチともに懐かしい野球談議で盛り上がっています。
■長嶋、王など約30枚
店主の小山和徳さんが、小学生だった昭和40年代から集めてきたお宝。当時は栄光のV9時代。3番王、4番長嶋という不動のクリーンアップで、全国の子供たちは皆、ONに憧れていました。野球少年だった小山さんも熱烈な巨人ファンで、円山(札幌)の北海道シリーズは欠かさず、観戦に行っていました。でも、憧れの巨人軍の選手の直筆サインなど、そう手に入るものではありません。なぜ、こんなにたくさん持っているのでしょうか…。
「父の弟が、読売旅行に勤めていて。チームの北陸遠征では、いつも叔父さんが選手の移動バスに同乗してアテンドしていたんです」。叔父さんは巨人ファンの甥のために、選手に直接サインをお願いしてプレゼントしてくれていたのです。
大切に保管していた色紙は昨年、旭川ゆかりのビクトル・スタルヒン投手の生誕100年記念イベントで初めて一般公開。スタルヒン球場や市中央図書館で展示された選手のサイン色紙のほとんどが、小山さん提供によるものでした。
「北海道はいま、ファイターズファンばかりだからねぇ。何だか気が引けて」と、これまで、店ではジャイアンツ色を一切出して来なかった小山さん。店内に貼り出すことにしたのは、中小企業診断士の中村領さんのアドバイスでした。「経営相談をしていて、ひょんなことからサインのことを知って。球場も近いし、野球にちなんだメニューを考えても面白い。旭川の巨人ファンの聖地になる可能性もありますよ」と話します。
小山さんは「巨人はもちろん、相撲と卵焼きは今も大好き。同じ時代を過ごした人たちに喜んでもらえれば」と話しています。