長尾 英次さん
チーズ職人歴18年。地元の生産者とのコラボに積極的に取り組み、谷口農場の有機トマトを混ぜたモッツァレラチーズを商品化しています。昨日から大雪地ビールの黒ビール「黒岳」を使ったチェダーチーズも販売を開始しました

旭川に根付かせたいチーズ文化
愛される味を求めて

 「旭川に骨をうずめる覚悟で来ています」。そう話すのは宮城県から移住したチーズ職人の長尾英次さん。一昨年の12月、買物公園沿いにチーズ工房を併設した店舗「ジャパチーズ旭川」をオープンし、妻と二人三脚で仕込みに精を出しています。

 以前は宮城県蔵王町にあるメーカーで、チーズ製造の技術者として働いていました。全国コンテストではブルーチーズで受賞歴もあるほどです。妻が里帰り出産で旭川に帰省しているとき、あの大震災が起こりました。離れ離れの生活が続く中で、家族の時間を大切にしたいとの思いから旭川への移住を決断しました。若い職人の力で旭川でもチーズ人気が高まりつつあります。「自分は通好みのも作っていましたが、クセの少ないタイプも作っていました。どんな味が旭川の人の口に合うのか。好みを探るところからのスタートでした」。

 現在、店頭に並ぶのはチェダーやモッツァレラ。クセが少なく、フレッシュな牛乳の味を感じられるタイプを選びました。要になる牛乳は東鷹栖の加藤牧場から直接仕入れています。清潔な牛舎で1頭1頭大切に育て、体調に細かく気を配るなど「牛乳のクオリティがとにかく高いので、私のすることは良い発酵ができるように環境整備をするだけ。技術者として腕の見せ所が無いですね」と笑います。メーカー勤務時代には見えなかった生産者の姿。手塩にかけた牛乳だと知ることが商品の自信にもつながっています。

 「最近は徐々に熟成チーズの要望が増えてきました。自分の味を受け入れてもらえたようで嬉しい」と試作を進めています。「種類を増やそうなんて考えられるのは、もっと先のことだと思っていました。こんなに早く考えられるなんて」。

 驚きを原動力に変えて、店名のごとく日本人の為のチーズを作るべく奮闘しています。

2017年4月28日