- ホテル時代のメンバーが集まったリトルグランド。息の合ったチームプレーで切り盛りします
「ちいさなグランドホテル」の意味を持つリトルグランドザベーカリーが、旭川市豊岡4条5丁目に開店して半月。旧旭川グランドホテルと前身の旧ニュー北海ホテルで長年にわたり愛されてきた「ベーカー・ペストリー」の味を引き継ぐパン店で、老舗の味を忘れられずにいたファンたちが連日、開店前から行列を作っています。
復活は、グランドホテルのマーケティング部長だった湯浅秀昭さんの呼びかけに、当時のペストリー長だった田中隆幸さん=写真=が応える形で実現しました。二人は爆発的な人気を得たホテルオリジナルのアイスクリームやカタラーナを開発したかつての戦友。「ペストリー」の閉店でパン作りから遠ざかってしまった田中さんの腕を惜しみ、湯浅さんが専務を務める美瑛町の竹内山林緑化農園の協力のもと、子会社「リトルグランド」を設立して店舗を運営することになりました。
二人の新しい挑戦の噂を聞きつけ、厨房や売り場のスタッフとして働きたいとホテル時代の同僚たちが続々と集まりました。「私たちを知るお客様が声をかけてくださったり、お客様同士で好きだったパンの話しに花が咲いたりしている様子を見掛けます。涙が出るほど嬉しく、胸が温まる光景です」と湯浅さん。
同店では、厳選した地元食材を取り入れたパンを提供しています。なかでも人気の食パン「エブリタイム」は、ヒキの強い美瑛産小麦ゆめちからに、道産の生クリームとバター、砂糖などを使い、ひと手間加えた湯種製法でもちもちの食感を実現。このほか旧グランドホテルで提供していたデニッシュや、試行錯誤して作り上げた道産小麦のハード系など毎朝およそ30種類が並びます。「いい食材を集めただけではいいパンにはなりません。やはりベーカー長の田中の技術があってのこと」と胸を張る湯浅さん。「お客様からチーズケーキやブランデーケーキのご要望も頂いていますので、今後復活を検討したいと考えています」と笑顔を見せます。
営業は午前9時から午後3時(売り切れ次第終了)。月・火曜定休。問い合わせは同店(TEL:080-6579-3111)へ。