富良野市在住の倉本聰さん作、演出で、富良野塾OBを中心にした富良野GROUPが出演する舞台「ノクターン―夜想曲」が、1月10日(土)から18日(日)まで富良野演劇工場(富良野市中御料)で上演されます。

　東日本大震災から数年後。原発事故の避難区域となった海に近い家に、津波で2人の娘を亡くした男と同僚を亡くした新聞記者が入り込みます。そこで、同じように津波で父親を亡くした彫刻家の女と出会います。

　2013年の夏に稽古の公開をした後、2日間だけ富良野で上演した同作品を大幅に改稿。倉本さんが何度も福島へ足を運び、現地の状況を目にし、現地の人々との対話を重ねながら、新しい作品として生まれました。「骨格は変わっていないですが、原発は悪いものということよりも、今回は悲劇の中で行動する人間について書きたいと思いました」と倉本さん。

　同公演は富良野でスタートし、全道、全国をまわります。福島での上映も予定。倉本さんは「重いテーマで、渦中の人にとっては単純な問題ではないだけに、福島の人々にどう見られるかということを強く意識しました。傷つけるような言葉は入っていないか、セリフにも、ものの考えようも気を配りました。悲劇を風化させてはいけないという真剣な思いで作り上げた舞台です」と思いを込めます。

　入場料は一般3500円(当日4000円)、小中学生1500円(当日券のみ)。未就学児の入場不可。無料託児や、親子で観劇できる防音設備付きの親子室の利用もできます。いずれも要予約。また、期間中は貸り切りや休演日があるので確認を。予約、問い合わせは富良野演劇工場(電話0167-39-0333)へ。