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札幌で新生活、引っ越すか通うか?
春は出会いと別れの季節。4月から新生活を始めるという人も多いだろう。転勤や進学で旭川を離れる人は、新しい土地での暮らしに期待と不安を抱いているのではないだろうか。
私にとって、これまでの人生で最も印象的な新生活といえば、やはり高校を卒業して東京の大学に進学した時だ。ずっと旭川で親元で暮らしてきて、初めて寮生活を経験することになった。3月末、雪解けの進む旭川を離れ、羽田に降り立ったとき、武者震いまではしなかったが、なんとも言えないセンチメンタルな気持ちに浸ったことを覚えている。その時の「旭川―羽田」の航空券は、「大人へのチケット」としてしばらく大事にとっておいた。本当は、学費も生活費も100%親に頼っているわけで、全然自立していないのだが…。何にせよ、親元を離れるというのは、人生の大きな節目のひとつなのである。
札幌の大学や専門学校に進学したり、札幌に異動する会社員におすすめしたいのがJR北海道の特急定期券「かよエール」だ。旭川―札幌間は、距離136.8km、JRの特急列車を使うと所要時間は約1時間30分。十分に通勤・通学圏に入る距離で、実際に電車で通っている人も多い。この圏内で引っ越して家賃を払うか、通勤・通学して定期代を払う方がいいのか。費用面や生活スタイルの両面から比較検討してみよう。
一人暮らしより断然お得!
学生が、札幌でアパートを借りた場合の毎月の費用をシミュレーションしてみる。家賃、食費、地下鉄の定期代、携帯電話代、光熱費などで1カ月10万円程度はかかるだろう。一方、JRの特急定期券を利用した場合、通学用だと旭川―札幌間は1ヶ月4万5360円。1ヶ月に20日間、札幌まで通った場合、片道あたりの費用は1134円になる。これに携帯電話の通話料約1万5000円を足したとしても、トータル6万円といったところ。1ヶ月で約4万円もコストは安くなる。年間だと約50万円だから、これは親御さんとしては大変助かる。
JRの旭川―札幌間の特急列車は、平成27年3月1日現在、毎日30往復を運行している。旭川からの始発は午前5時18分。札幌発の最終は午後11時5分。札幌での滞在時間は最大で約16時間。残業も大丈夫だし、飲み会も参加できそうだ。どうしても二次会まで行きたければ、同僚や友達の家に泊まればいい。
規則正しく、仕事や学業に専念

生活スタイルはどうだろうか。JR北海道が、かよエール購入者を対象に行ったアンケートがある。「かよエール通勤(通学)と引越し、どちらが良い?」(Q1)という質問には55%が「かよエール」と回答している。かよエールを選んでよかったと答えた人たちの声は次の通り。「専門学校で皆勤を継続できております。規則正しい生活が身につきました(20代女性)」、「短大は2年しかないので、引っ越すのも面倒かと、電車通学を選びました。生活に馴染んでいます(20代男性)」、「車中で少し寝て疲れをとります。読みたい本も集中して読むことができます(30代男性)」、「以前は車で通っていたのですが、旭川駅にかよエール利用者専用の駐車場があるのを知って切り替えました(60代男性)」。 「かよエールを選んだ理由」(Q2)、「列車の中で何してる?」(Q3)のランキングも興味深い。電車の中では、やはりみなさん、睡眠をとっているようだが、仕事や勉強をしている人も多い。

ここから先は、私観たっぷりであることを断っておく。冒頭、私は大学進学のため、東京で寮生活を始めたことを紹介したが、自分の経験として、高校卒業後→ひとり暮らしのパターンは、もうとにかく浮かれまくりなのである。学生の本分である学業よりも遊ぶことばかりに夢中になってしまいがちだ。結果、成績はどんどん下がり、成績が下がるから学校が面白くなくなる…という落ちこぼれスパイラルに陥ってしまうのである。みんながみんなそうだとは言わないが、自分に甘く、心の弱い私は、そうなってしまった。親御さんのみなさんは、自分の息子・娘がどんなタイプなのか、十分にご理解のことだろう。少なくとも学生のうちは、自宅から通える範囲の学校であれば、ひとり暮らしではなく、自宅から通わせることをおすすめする。
閑話休題。アンケートでは、さらに詳しく、個々の事情を聞き取りしたインタビューも掲載されているので紹介しよう。


いかがだろうか。私はこれを読んで、短いコメントながら、それぞれの人生模様を垣間見た気がするのである。70代女性の夫の介護の話なんて、まるで一編のショートムービーを観たような感慨さえ覚えるのである。駅は、旅立つ期待と不安、 出会いや別れなど、人それぞれにさまざまな人生が交錯する場所である。それぞれのストーリーがあるように、かよエールにも様々な利用の形があるに違いない。













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