書籍「東川スタイル」で
未来のスタンダードを提案

人口が減り続ける社会にあって、およそ20年で14％の住人を増やしている東川町。小さいながらに多様な経済を展開する特異性に注目した二人の大学教授が、町の魅力を紐解くべく一冊の本を出版しました。

慶應義塾大学で教鞭をとる二人の教授・玉村雅敏さんと小島敏明さんは、地域活性化のためのマーケティングについて研究を進める専門家です。4年前に町の事業で視察に訪れた際、一見ふつうのいなか町でありながら立て続けに独自の施策を打ち出す様子や、それぞれがのびやかに自分らしい生き方を実現している町民の姿を見て、東川町がこれからの時代を豊かに生きるための一つのモデルになると確信しました。

本書の作成にあたっては、教授らのコンセプトを元に一般の移住者やショップオーナー、ネイチャーガイドなど町の印象を決定付ける要人をピックアップ。ライターとカメラマンが4週間かけて取材を進めました。東川町に集う人たちが自然と共生しながら無理のない生き方や働き方を実践している姿や、写真甲子園などの取り組みに官民が主体的に関わる様子を通して、東川らしい独創的な町づくりを紹介しています。

大学教授の呼びかけに行政が協力し、地元カメラマンや住民がともに作り上げた、一般的な観光ガイドとは一線を画すユニークな本書。人口8000人の町が提案する価値基準は、独自のスタイルを模索するヒントになりそうです。問い合わせは産学社(電話03-6272-9313)へ。