地域の冬の秩序を守る、
誇り高き好好爺

平成最後の冬にやってきた大寒波。厳しい冬の気象と共存してきた私たちにとって、「雪かき」は生活の一部であり、逃れられない宿命であります。創刊35年を迎えたライナーはこの冬、北国の自然と共生し、地域の美観を守る雪かきの達人を募集しました。応募総数は約50通。降雪量が特に多かった今シーズンも、雪かきを前向きに楽しむ愛すべき人々を讃え、ここに「第一回あさひかわ除雪大賞」を発表します！

あさひかわ除雪大賞 末広東 岡村さん

匿名のご近所さんからの推薦でエントリー。ご自宅まで「あさひかわ除雪大賞」に輝いたことを伝えに行くと、警戒心いっぱいに「俺は、そんなのに表彰されるためにやってるんじゃない。雪が降ったら、作業しているだけだ」と、山があるから登る的な第一声。なんとか奥様に取り持っていただき、後日あらためて取材におじゃますると、今度は快く応じていただきました(そりゃー、びっくりしますよね。突然、大賞ですって言われたら。ごめんなさい)。

岡村さんは90坪近くある自宅の敷地はもちろん、まわりの道路(角地なので面積が広い)までキレイに除雪しています。そして、自分のところの雪は絶対に道路には捨てない。そんな信念から、敷地に積み上げた雪は、定期的に軽トラで排雪しています。今年は雪が多かったから20回以上は運んだそう。交差点は死角になるから雪を積み上げないなど、自分なりのルールで日々、除雪に励んでいます。今シーズンくらい雪が多いと、自治体の除雪体制だけでは、どうしても追いつかない部分があります。地域に岡村さんのような人がいるから、毎朝安心して通勤、通学できているんだとあらためて感じました。

かつて街道の整備は、その土地の住民が勤労奉仕として行っていた時代がありました。わがまちの道は自分たちで守る。雪かきは、現代の「道普請(みちぶしん)」なのかもしれません。