カフェにビアガ、イベントも
いま旭川のお寺がおもしろい

粛々として静謐、咳払いひとつも許されないような緊張感・・というお寺のイメージが最近変わりつつあります。都心部では近ごろ、ヨガ教室やライブ、映画鑑賞会、フリーマーケットなど様々なイベントが行われ、一般に広く開かれているそう。実は旭川にも徐々にその波が来ています。

寺でホンキの怪談トーク！？

この時期のお寺ならではの雰囲気を生かして、慶誠寺(旭川市豊岡5条4丁目)は8月18日(土)に「怪談ライブ」を開きます。午後7時からおよそ30分おきに計4回、二人の怪談師が自身の恐怖体験を語ります。

今年で4度目の実施。不気味な余韻と後味の悪さがいいと毎年訪れる人も。午後3時から10時までは境内でビアガーデンもオープンし、フードや生ビールを楽しみながら妖しい時間に浸れます。

「合間の漫才説法と終了後の僧侶による読経で、心のケアもぬかりありません。きちんと“落として”ご帰宅ください」と住職の石田慶嗣さん。怪談ライブは入場券が必要で、前売り1000円、当日1500円。問い合わせは慶誠寺(電話︎0166・31・2871)へ。

写経写仏で大人の安らぎを

一方、心穏やかにリラックスしたひとときを過ごしてもらおうと、カフェ付きの写経写仏体験を提供するのは梅聞寺(旭川市東旭川町共栄92番4)です。住職の代替わりを期に、4月から月に一度のペースで実施してきました。

写経写仏は坐禅と同じく、集中し雑念を払って、ただひたすらに取り組む姿勢が必要なのだとか。とはいえ、般若心経などのお経と、釈迦如来や不動明王といった仏の絵をなぞり書きする簡易なものなので、誰でも気軽に取り組めそう。体験後は手作りのスイーツとハーブティなどのドリンクでゆったりとしたひとときを過ごします。次回は8月25日(土)午後1時から。参加費300円。要事前予約(電話︎080・4046・8397)で、定員10人。

また元料理人である住職の遠藤威承さんが本格精進料理を振る舞う写経写仏体験会も不定期に行っています。「写経写仏だけならいつでも300円で体験できますので、お気軽に。今後は子供食堂の実施も予定しています」と、さらなる企画を検討中です。

心も体もキレイになれちゃう

お寺が放つ清浄な気に触れ、心を癒し、美を磨いてほしいと、即成寺(旭川市5条通25丁目)では8月26日(日)午前10時から午後3時にサロンイベントを開きます。

主催は市内神楽岡のリラクゼーションサロン・リズムの工藤ふくみさん。アロマセラピーやハンドケア、ネイル、まつげエステなど6つの美容系ショップが出店し、いずれも30分以内の施術をワンコインからリーズナブルに体験できます。「かつての日本ではお寺は地域の中心。今回は現代における新しい役割としてイベントにスペースを提供してくださいました。お寺の空気、ここで繋がる出会いを楽しんでほしい」と工藤さん。問い合わせはリズム(電話︎080・5729・5566)へ。

住職のみなさんは「宗派宗教を問わず、気軽に足を運んでいただける存在になりたい」と口を揃えます。寺子屋のように地域に密着した存在に、そして誰もが立ち寄れる場所に―地域コミュニティとしての存在感を高めたいと願っています。葬儀や法事だけでなく、人生に学びや気付きをくれる場として今後もさらにユニークなイベントが企画されそうです。