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- 米坂ヒデノリさんの彫刻作品「旅立ち」。出発の門をくぐる人を、鳥が見つめています
たゆまず変化する時間と光を追いかけた企画展「アートのなかの朝・昼・夜」が、6月23日(日)まで道立旭川美術館(旭川市常磐公園内)で開かれています。同館の学芸員らが、700点に上る収蔵作品の中から36品をピックアップしました。
旭川の木工作家・丹野則雄さんによる「蘖―ひこばえ」は、樹皮のひび割れや凹凸を生かした、廃材で作られたウッドボックス。ささやかな芽吹きが、朝のやわらかな光が差す林床のワンシーンを想像させます。色鮮やかな植物が作る濃い影に真昼の強い光を捉えたのは一木万寿三さんの油彩。望月正男さんは、淡い黄金の光に船体がにじむ、暮れゆく釧路の漁港を描きました。
夜の場面では、あべ弘士さんの「エゾオオカミ物語」の原画を展示。暗闇に生きる動物たちの姿が、ドラマチックな陰影で表現されています。このほか闇夜を歩く異形の存在を思わせる向山潔さんのミステリアスな彫刻「夜想」や、深夜のアトリエに迷い込んだ蛾に触発されて生まれた砂澤ビッキさんの木彫作品、2画面で構成された抽象画家・上野憲男さんの大作「朝へ」など、見ごたえ十分です。
会場を巡るうちに、朝から昼、夜、深夜、そして早朝と、時を回遊していることに気付きます。学芸員の津田しおりさんは「日常を送る私たちにとって身近なテーマ。美術作品と身構えず、作品の中にある光や時間のうつろいを感じてほしい」と話します。
5月3日(金祝)午後2時からは親子鑑賞体験ツアー(親子10組)が、5月11日(土)・12日(日)の午後1時半から4時には「朝・昼・夜」をテーマにした絵本作りのワークショップも行われます(参加無料で各日10人)。いずれも要事前予約。
開館は午前9時半から午後5時。月曜休館(5月6日は開館、7日振休)。観覧料は一般510円、高大生300円、65歳以上と中学生以下、土曜とこどもの日の高校生は無料。申し込み、問い合わせは同館(TEL:0166-25-2577)へ。