ときを経て語り出す日常の一枚 明治～昭和の写真約80点

旭川で初めて写真館を開業した写真師の中鉢直綱(1879～1961)が明治から昭和にかけて撮影した旭川の写真展が、10月4日(水)から11日(水)まで、旭川市民ギャラリー(旭川市宮下通11丁目、上川倉庫蔵囲夢内)で開かれます。

旭川出身の写真家・谷口雅彦さんが主宰する市民団体などの主催。写真家として活動するかたわら、日本の写真技師の足跡をたどる活動をライフワークとする谷口さんは、旭川の写真史を調べる中で中鉢の存在を知ります。20年近くの調査の末、たどり着いた中鉢の親族から受け継いだ遺品の中には、明治30年代の貴重な旭川の写真がありました。

写真展では、日露戦争で第七師団に従軍した際、塹壕から撮影した二〇三高地の砲台爆破の一枚などが貼り付けられた写真帖の実物を公開するほか、明治～昭和の旭川の街並みが収められた写真が展示されます。また谷口さん本人が撮りためてきた1970年代以降の旭川や、郷土史家から譲り受けた二代目旭川駅周辺の風景や、民俗学者の金田一京助が近文コタンを訪問した際の新聞写真など谷口さんの収蔵コレクション、市民から寄贈された家族写真なども展示し、1899年～2001年まで100年の旭川の歴史を市民目線でたどる、ほぼ初公開の写真約80点が並びます。

谷口さんは「何気ない日常の一枚が、時間が経つことで様々なことを語り出すのが写真の魅力のひとつ。思いを未来に残す大切さを感じてもらえれば」と話しています。入場無料。開場は午前10時から午後5時(最終日は午後3時)まで。