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- 「寄木細工を施したフレームにも挑戦したい」と語る河石さん
木工クラフトの工房ペッカー(旭川市東光東光18条4丁目4-9)の職人、河石大輔さんが、趣味のサイクリング熱が高じて木製フレームのロードバイクを製作しました。テストでは150キロ以上の長距離走行にも耐え、乗り心地は上々。近く、工房ペッカーのオリジナル商品としてラインアップに加わる予定です。
河石さんは10年ほど前、大好きな北海道の自然を満喫できる趣味としてサイクリングに出合いました。仕事の合間に4泊5日で道北・道東の海岸線沿いをぐるりと回り、利尻・礼文島にも立ち寄る弾丸ツアーを敢行したこともあります。「体力の限界までペダルを漕いで進み、熟睡後に朝日を見ながら食べるおにぎりが最高」とその魅力を語る河石さん。旅先でのサイクリング仲間との出会いも楽しみにしています。木製自転車の構想は、サイクリングを始めた当初からありました。スケッチ図を書き始めたのは8年前。詳細な図面を引く前に、このイメージを膨らませる作業が「もっとも時間がかかり、もっとも楽しい」と語ります。
最新作の3号車は、トライアスロンバイクを参考に製作しました。材料はホームセンターなどで手に入る松のツーバイ材で、フレームの中をくりぬき、軽量化しています。金属の使用は自転車パーツの取り付けに必要な部分にとどめ、フレームのほぼすべてが木製です。ふだんは時計や寄木の額絵などのクラフト作品を手掛ける河石さん。自転車のように大きな負荷のかかる木製品を作るのは初めてで、木目の方向やつなぎを工夫するなど家具職人のような技術を取り入れるのに苦労しました。強度が必要な部分には、何枚もの薄板を型に当てて接着させる曲げ木技術を採用しています。
完成したロードバイクは、市内や東京、札幌の自転車店に持ち込んで専門家のアドバイスをもらいました。1号車では不足していた剛性、基本的な構造や重量についても合格点をもらいました。今後は専門の検査機関に試験を依頼し、より安全性を高めていきます。
車輪やハンドルなどは別で、木製フレームだけのオーダーメード販売にする予定。河石さんは「木材は比較的安く、自由に加工できるのが利点。今後は空力面もさらに改善して、量産体制を整えたい」と話しています。問い合わせは工房ペッカー(TEL.0166-33-8783)へ。