1. ライナーウェブ
  2. ニュース&記事
  3. おでかけ
  4. 耳をすませば

心の声に

耳をすませば

この記事は最終更新日から1年以上経過しています。
内容のー部もしくは全部が変更されてる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
ⓒ柊あおい/集英社 ⓒ2022「耳をすませば」製作委員会

スタジオ・ジブリのアニメ映画として有名な『耳をすませば』。本作はその十年後を描く実写映画だが、けっこう根幹の設定を変更してあるので直接の続編ではない。また、十年後の話ではあるものの随所に回想シーンを挟み、十年前にどんなことがあったのかを見せてくれるため、これ一本をいきなり見ても全く差し支えない。むしろアニメ版とは設定が異なるので知らない方が入りやすいかもしれない。

中学生の頃に知り合った二人が想いを通わせ、それぞれの夢を追うために遠く離れて暮らす。そんな時間が十年も流れ、社会にも出て夢だ恋だといったものたちは次第に色あせて行く。くじけたり迷ったり焦ったり苛立ったり。日々の中で信じるものや大切なものが見えなくなってしまう。そんなときは心の声に耳を傾けよう。自分の心はいったいなんと言っているのだろうか。

大人になっていくこと。年をとっていくこと。それは生きていくということ。時折心の声に耳をすませると、大事なものを見失わずに済むのかもしれない。

エンドロールは本編とリンクしながらアニメ版を思い出させるオマージュにもなっているのでぜひ最後まで楽しんで欲しい。(映画ライター・ケン坊)

ケン坊がさらに語る!WEB限定おまけコラム

この記事には映画のネタバレが少々含まれているので、まだ映画を見ていない人はその点をご承知おきの上で読んでください。

もっと読む

あの二人のその後。それを映画にするというのはいくつかの意味で大きな挑戦だったろうと思う。賛否が分かれることは避けられないだろうし、なにより、視聴者にゆだねられていた二人のその後を固定してしまうことになる。美しい青春を駆けた無垢な二人は否応なく成長させられ、大人として社会のしがらみに絡めとられていく。それはある意味でキャラクタを生かし成長させるけれど、別の意味で死なせてしまうことにもなる。誰もそこに留まっていることはできない青春。後日談によって彼らもまた青春から引きずり出されてしまう。

本作は日本とイタリアに分かれて暮らす二人のその後を描いている。十年後を舞台にしながら回想を挟み、夢のような青春物語だった二人の世界を無慈悲な現実にする。実写になっていることも相まって痛いほどリアリティがある。幻想が姿を消し、泥臭い日常が浮き彫りになる。一方でそんな現実の中にあって二人の間に通う思いは純粋でまっすぐだ。少々無理があるほどに。

十年という月日を経たにしては作品に描かれた時間範囲の中で今さらなことがいくつも起こり、急に揺れすぎではないかという気もする。だって十年も経っているのでしょ、と思うような展開だ。映画の尺の中でハッピーエンドを迎えるために一度谷に落とす必要があるのはわかるのだが、十年後という設定によっていささか無理が生じているような気もする。ラストはもうネタバレ云々を抜きにしてもハッピーエンドにする以外無いわけで、大方の予想通り二人が結ばれて終わる。が、この作品、作中時間が古く、ラストシーンの時点でも1998年である。本作のエンドロールから四半世紀近くが過ぎている現在、二人はどんなふうに暮らしているのだろうか。どんな夢を、追いかけているのだろうか。

関連スポット

シネプレックス旭川

シネプレックス旭川

住所:旭川市永山12条3丁目ウエスタンパワーズ内

TEL:0570-783-882

永山/アミューズメント

イオンシネマ旭川駅前

道北最大級の8スクリーン1,200席

イオンシネマ旭川駅前

住所:旭川市宮下通7丁目2番5号 イオンモール旭川駅前4F

TEL:0166-74-6411/駐車場:900台

宮下通/アミューズメント

  • 駐車場

関連キーワード

シネマの時間 バックナンバー

F1/エフワン
ロートルおじさんが現役復帰し、血気盛んな若者と衝突しながらも生き様を見せつけて彼らの成長を促す。どういうわけか近年この種の物語が増えたように感じる。私自身がロー... (7月4日)
国宝
奇跡の映画だ。こんなにも凄みに満ちた作品が完成したこと自体に感動する。三時間もある上映時間が瞬く間に過ぎ去る。 本来世襲制である歌舞伎の世界を舞台に、血のつなが... (6月13日)
ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング
ある意味アクションシリーズの必然でもあるのがなんらかの要素のインフレ。バトルものは強さがインフレし、ドンパチものは飛び交う弾薬の数がインフレする。かくして本シリ... (5月30日)
かくかくしかじか
恩師と言われて思い浮かぶ顔はありますか?もしYesであれば、きっとそれはとても幸運なことなのだろう。日本に生まれ育つと多くの先生と出会う。学校の先生はもちろんの... (5月23日)
花まんま
両親を相次いで亡くし、兄一人で育てた妹が結婚する。そこに、妹が別の人の記憶を持って生まれてきたという設定が付与されて、ちょっと特殊な形で「家族」を描いた作品であ... (5月2日)
PRインターネット広告掲載はこちら »

ニュース / キーワード

ようこそ、ゲストさん

メールアドレス
パスワード

※パスワードを忘れた方はこちら

はじめての方はこちら

アカウント作成

ライナー最新号

2025年7月1日号
2025年7月1日号
今週末は南高祭 伝統の万灯行列に 露店や展示企画も
紙面を見る

ピックアップ

注目グルメ
注目グルメ
定番から新作まで ライナーが今注目する お店の味はこれだ!
シネマの時間
シネマの時間
映画ライター・ケン坊が語る新作映画とそのみどころ
味な人
味な人
北北海道で食に携わる人々の横顔をご紹介
つくろう旬レシピ
つくろう旬レシピ
プロの料理人が教える季節の食材を使った絶品レシピをご紹介
スーパーのお惣菜
スーパーのお惣菜
スーパーうまい!乳製品編
ものぴりか
ものぴりか
ライナーが集めてきた 地元の素敵な品々を紹介します
不動産情報
不動産情報
不動産・リフォーム等 住まいに関する情報を公開中
クーポン
クーポン
お得なクーポンを公開中
お知らせ
お知らせ
お店・スポットの お知らせ
ラーメンマップ
ラーメンマップ
ラーメン食べたいなぁ そんなときは専用マップで探してみよう
開店・移転・閉店
開店・移転・閉店
旭川市・近郊エリアの新店や創業などの話題。情報提供も歓迎!
星占い
星占い
7/1〜7の星占い

ページの最上段に戻る