1. ライナーウェブ
  2. ニュース&記事
  3. おでかけ
  4. キングダム2 遥かなる大地へ

乱世を生き抜く

キングダム2
遥かなる大地へ

この記事は最終更新日から1年以上経過しています。
内容のー部もしくは全部が変更されてる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
ⓒ原泰久/集英社 ⓒ2022 映画「キングダム」製作委員会

古代中国史を背景にした壮大な作品。過去に何度も映像化されてきた作品の、本作は実写映画二作目にあたる。本作において主人公らの秦(しん)は隣国である魏(ぎ)の大軍に攻め込まれ、数量に劣る戦力でこれを迎え撃つ。知略に富んだ指揮官の率いる魏の大軍を前に、秦の大将軍ひょう公(ひょうこう)はどう戦うのか。本作はその物語をひょう公軍の末端に歩兵として参加する主人公の視点を中心に描く。

戦乱の物語は、多くが武将、ここで言えば将軍級の戦略を見せる物語になりがちだ。だが本作は主人公が末端の歩兵であることで、広い視点で楽しめる。もちろんフィクションなのでありそうもない話も満載なのだが、異端の火種が大局を左右するという物語は痛快でとても面白い。

キャスティングが見事で、王騎(おうき)を演じる大沢たかおが圧倒的な個性を発揮していたり、今作から登場する羌かい(きょうかい)をアクションを得意とする清野菜名が演じ、華麗な立ち回りで一騎当千の活躍を見せたりと、芝居の面でも見どころが満載だ。大きく戦局が動くきっかけとなった一戦をぜひ堪能してほしい。なお、キングダムシリーズをまったく見たことが無いという人でも十分楽しめると思う。(映画ライター・ケン坊)

ケン坊がさらに語る!WEB限定おまけコラム

この記事には映画のネタバレが少々含まれているので、まだ映画を見ていない人はその点をご承知おきの上で読んでください。

もっと読む

知略に富む魏の呉慶と、本能で動く秦のひょう公。まったくタイプの異なる二人の名将の戦いが本作の要になっている。演出上、呉慶は圧倒的な武将として恐れられている様子が描かれ、これを迎え撃つひょう公は自軍を見捨てるような采配を揮うなど、「この将軍は大丈夫なのか」と不安に思わせるような見せ方がされる。最終的にひょう公の戦略は最小限の犠牲で最大の戦果を上げることにつながるわけだが、本作はそれを前線の歩兵の視点で描いていくため、戦争というのがどういうものなのかが色濃く浮かび上がってくる。

乱世を描く物語は名将の活躍を描きがちで、戦略で戦局を左右し、結果を出すという物語になることが多い。武将が動き、戦果が上がり、パワーバランスが変化する。勝つか負けるか。優勢か劣勢か。そういった状況にはしかし、常に前線というものが存在する。前線では実際に敵と切り結び、血を流し、命を落とすものが大勢いる。その犠牲の元に戦果があり、戦局もある。『キングダム』という作品は主人公を末端の歩兵に設定しつつ、彼に王と繋がりを持たせることで、上層の動きと末端の現実を同時並行的に見せていくのが新鮮だ。

中国史をベースにしつつ史実からは大胆に逸脱して物語が展開されているのだが、人物の造詣などはそれぞれ魅力的で、スケールの大きなエンターテイメントとして長く楽しめる作品だと思う。エンドロールの後に次回作の予告があったが、次も見逃せないものになりそうだ。

関連スポット

シネプレックス旭川

シネプレックス旭川

住所:旭川市永山12条3丁目ウエスタンパワーズ内

TEL:0570-783-882

永山/アミューズメント

イオンシネマ旭川駅前

道北最大級の8スクリーン1,200席

イオンシネマ旭川駅前

住所:旭川市宮下通7丁目2番5号 イオンモール旭川駅前4F

TEL:0166-74-6411/駐車場:900台

宮下通/アミューズメント

  • 駐車場

関連キーワード

シネマの時間 バックナンバー

F1/エフワン
ロートルおじさんが現役復帰し、血気盛んな若者と衝突しながらも生き様を見せつけて彼らの成長を促す。どういうわけか近年この種の物語が増えたように感じる。私自身がロー... (7月4日)
国宝
奇跡の映画だ。こんなにも凄みに満ちた作品が完成したこと自体に感動する。三時間もある上映時間が瞬く間に過ぎ去る。 本来世襲制である歌舞伎の世界を舞台に、血のつなが... (6月13日)
ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング
ある意味アクションシリーズの必然でもあるのがなんらかの要素のインフレ。バトルものは強さがインフレし、ドンパチものは飛び交う弾薬の数がインフレする。かくして本シリ... (5月30日)
かくかくしかじか
恩師と言われて思い浮かぶ顔はありますか?もしYesであれば、きっとそれはとても幸運なことなのだろう。日本に生まれ育つと多くの先生と出会う。学校の先生はもちろんの... (5月23日)
花まんま
両親を相次いで亡くし、兄一人で育てた妹が結婚する。そこに、妹が別の人の記憶を持って生まれてきたという設定が付与されて、ちょっと特殊な形で「家族」を描いた作品であ... (5月2日)
PRインターネット広告掲載はこちら »

ニュース / キーワード

ようこそ、ゲストさん

メールアドレス
パスワード

※パスワードを忘れた方はこちら

はじめての方はこちら

アカウント作成

ライナー最新号

2025年7月4日号
2025年7月4日号
今週末は南高祭 伝統の万灯行列に 露店や展示企画も
紙面を見る

ピックアップ

注目グルメ
注目グルメ
定番から新作まで ライナーが今注目する お店の味はこれだ!
シネマの時間
シネマの時間
映画ライター・ケン坊が語る新作映画とそのみどころ
味な人
味な人
北北海道で食に携わる人々の横顔をご紹介
つくろう旬レシピ
つくろう旬レシピ
プロの料理人が教える季節の食材を使った絶品レシピをご紹介
スーパーのお惣菜
スーパーのお惣菜
スーパーうまい!乳製品編
ものぴりか
ものぴりか
ライナーが集めてきた 地元の素敵な品々を紹介します
不動産情報
不動産情報
不動産・リフォーム等 住まいに関する情報を公開中
クーポン
クーポン
お得なクーポンを公開中
お知らせ
お知らせ
お店・スポットの お知らせ
ラーメンマップ
ラーメンマップ
ラーメン食べたいなぁ そんなときは専用マップで探してみよう
開店・移転・閉店
開店・移転・閉店
旭川市・近郊エリアの新店や創業などの話題。情報提供も歓迎!
星占い
星占い
7/1〜7の星占い

ページの最上段に戻る