1. ライナーウェブ
  2. ニュース&記事
  3. おでかけ
  4. ハウス・オブ・グッチ

泥沼・オブ・グッチャグチャ

ハウス・オブ・グッチ

この記事は最終更新日から1年以上経過しています。
内容のー部もしくは全部が変更されてる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
ⓒ2021 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.

歴史あるハイブランド「グッチ」。いわゆるブランドものに興味のない人でもその名ぐらいは知っているであろう「グッチ」がファミリービジネスとして衰退していった頃を描いた作品だ。なんでそんなものを映画にするのかと言えば、それはもう事実は小説よりもなんとやら、欲にまみれた人々によるドラマはそこらのエンターテイメントよりもドロドロで面白いからである。

この作品は一見して印象に残るように、とにかく俳優が素晴らしい。マウリツィオ・グッチを演じるアダム・ドライバーは本人よりもグッチ的だし、その妻パトリツィアを演じるレディ・ガガはあまりにもハマり役すぎて本人かと思う。マウリツィオの叔父にあたるアルドはアル・パチーノで、大物感がハンパではない。この見ごたえある顔ぶれで描き出されるグッチ家の闇。

今も世界的トップブランドとして名高いグッチだが、ファミリービジネスとしてスタートしたグッチは三代目にして大いに揺れた。本作はその揺れに揺れた時代の物語であり、ラストでその後のことが語られる。何とも皮肉な話なのだが、さもありなんといった印象を受ける。大きすぎる富はいろいろなものを狂わせるのだろう。(映画ライター・ケン坊)

ケン坊がさらに語る!WEB限定おまけコラム

この記事には映画のネタバレが少々含まれているので、まだ映画を見ていない人はその点をご承知おきの上で読んでください。

もっと読む

グッチに興味のある人なら、90年代中頃に起きたグッチ三代目、マウリツィオの暗殺事件はご存知かもしれない。ハイブランドの会長が拳銃で殺されるという衝撃的な事件であった。さらに、その数年後に発覚した事件の首謀者は、あろうことかマウリツィオの妻パトリツィアであったのだ。スキャンダラスどころの騒ぎではなく、これだけでもう小説のようだ。映画の題材としてふさわしいというか、ニュースがぜんぶ映画のようだ。

本作はマウリツィオがパトリツィアと結婚するところから、殺害されるに至るまでを描いたドキュメンタリー風のフィクションである。事実を基にした作品、という言い方がされているのでドキュメンタリーではない。暗殺事件自体は現実のもので、事件にかかわった人物は全員実刑判決を受けている。おそらく本作は発表されている事実から遡り、細かなエピソードについてはフィクションも混ぜて作られているのだろう。しかし極めてよくできているため、ぜんぶが事実だと言われても何の違和感もない。むしろぜんぶ事実のようにさえ見える。

アダム・ドライバー演じるマウリツィオは何を考えているかわからない、あまり感情を表に出さない人物で、この人物の行動は読めない。彼が何を考えているのかは劇中でもさっぱりわからず、ひとつ前のシーンとまったく異なる行動をとり始めたりして、あれ?と思うことが何度もあった。捉えどころのない人物で、この人は頭が良かったのかアホだったのかもよくわからない。彼は父の反対を押し切って彼女と結婚したわけだが、彼がなぜそれほどパトリツィアにハマったのかも、作中ではよくわからなかった。対してパトリツィアの方は最初から欲にまみれていて見事だ。マウリツィオに近づいたのは完全に欲からだし、結婚した後の行動もものすごい。途中でマウリツィオに愛想をつかされるわけだが、それもうなずける。マウリツィオの気持ちがちゃんとわかったのは実にこの離婚したがった点ぐらいであった。パトリツィアの方はもう最後暗殺に走るところまで、一貫してなぜそのように行動しているのかが実によくわかる。わかりやすい人物だと言える。

そして映画のような話は映画のエンドロールを迎えて終幕する。ラストにその後の状況がテロップで説明されるが、現在のグッチにグッチ家の人間はいない、という事実がなんとも皮肉だ。グッチを世界に羽ばたかせた二代目までの社長たちは、結局その後のグッチを見ることなく死んでいる。そして彼らの死後、三代目であるマウリツィオも殺された。

なお、マウリツィオ殺害の首謀者であるパトリツィアは、既に刑期を終えて出所しているらしい。彼女だけは健在で、この映画化に難色を示していたそうだ。これ以上ないほど皮肉な話だ。

関連スポット

シネプレックス旭川

シネプレックス旭川

住所:旭川市永山12条3丁目ウエスタンパワーズ内

TEL:0570-783-882

永山/アミューズメント

イオンシネマ旭川駅前

道北最大級の8スクリーン1,200席

イオンシネマ旭川駅前

住所:旭川市宮下通7丁目2番5号 イオンモール旭川駅前4F

TEL:0166-74-6411/駐車場:900台

宮下通/アミューズメント

  • 駐車場

関連キーワード

シネマの時間 バックナンバー

ボーはおそれている
ちょっと理解しがたい人に会ったことがあるかと聞かれたら、きっと皆さん度合いの差こそあれ、幾人か思い当たるのではないだろうか。でも他人のことなど、本来わからないほ... (2月22日)
身代わり忠臣蔵
これまでに幾度となく映像化されてきてもはや誰もが知っていると言っても過言ではない忠臣蔵。それを誰も見たことがないドタバタコメディにしたのが本作である。奇想天外な... (2月16日)
ゴールデンカムイ
明治の北海道を舞台にした漫画作品『ゴールデンカムイ』。アイヌ文化に触れながら壮大なアクションを描くこの作品は、すでに原作漫画、アニメ化作品ともに大好評でご覧にな... (1月26日)
エクスペンダブルズ ニューブラッド
マッチョなアクション俳優をどっさり詰め込んでド派手な映画を作る、というコンセプトで我らがスタローンが始めた冗談みたいなシリーズだが、テンポ良く三作が公開されたあ... (1月12日)
シネマの時間2023 オマージュシーンを楽しもう
今年もやってきました年末。今年は仮面ライダーやゴジラの、原点回帰のような作品が印象に残ったので、いろんな映画の中に込められた別の映画へのリスペクト、オマージュシ... (12月19日)
PRインターネット広告掲載はこちら »

ニュース / キーワード

ようこそ、ゲストさん

メールアドレス
パスワード

※パスワードを忘れた方はこちら

はじめての方はこちら

アカウント作成

ライナー最新号

2024年2月22日号
2024年2月22日号
大雪エリアの
体験プログラムが満載
カタログギフト販売中!
紙面を見る

ピックアップ

味な人
味な人
北北海道で食に携わる
人々の横顔をご紹介
月刊ととのう
月刊ととのう
サウナ大好きスタッフが各施設の魅力をフカボリ!
注目グルメ
注目グルメ
定番から新作まで
ライナーが今注目する
お店の味はこれだ!
シネマの時間
シネマの時間
映画ライター・ケン坊が語る新作映画と
そのみどころ
つくろう旬レシピ
つくろう旬レシピ
プロの料理人が教える
季節の食材を使った
絶品レシピをご紹介
ものぴりか
ものぴりか
ライナーが集めてきた
地元の素敵な品々を紹介します
不動産情報
不動産情報
不動産・リフォーム等
住まいに関する情報を公開中
クーポン
クーポン
お得なクーポンを公開中
お知らせ
お知らせ
お店・スポットの
お知らせ
ラーメンマップ
ラーメンマップ
ラーメン食べたいなぁ
そんなときは専用マップで探してみよう
開店・移転・閉店
開店・移転・閉店
旭川市・近郊エリアの新店や創業などの話題。情報提供も歓迎!
星占い
星占い
2/27〜3/4

ページの最上段に戻る