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泥沼・オブ・グッチャグチャ

ハウス・オブ・グッチ

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ⓒ2021 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.

歴史あるハイブランド「グッチ」。いわゆるブランドものに興味のない人でもその名ぐらいは知っているであろう「グッチ」がファミリービジネスとして衰退していった頃を描いた作品だ。なんでそんなものを映画にするのかと言えば、それはもう事実は小説よりもなんとやら、欲にまみれた人々によるドラマはそこらのエンターテイメントよりもドロドロで面白いからである。

この作品は一見して印象に残るように、とにかく俳優が素晴らしい。マウリツィオ・グッチを演じるアダム・ドライバーは本人よりもグッチ的だし、その妻パトリツィアを演じるレディ・ガガはあまりにもハマり役すぎて本人かと思う。マウリツィオの叔父にあたるアルドはアル・パチーノで、大物感がハンパではない。この見ごたえある顔ぶれで描き出されるグッチ家の闇。

今も世界的トップブランドとして名高いグッチだが、ファミリービジネスとしてスタートしたグッチは三代目にして大いに揺れた。本作はその揺れに揺れた時代の物語であり、ラストでその後のことが語られる。何とも皮肉な話なのだが、さもありなんといった印象を受ける。大きすぎる富はいろいろなものを狂わせるのだろう。(映画ライター・ケン坊)

ケン坊がさらに語る!WEB限定おまけコラム

この記事には映画のネタバレが少々含まれているので、まだ映画を見ていない人はその点をご承知おきの上で読んでください。

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グッチに興味のある人なら、90年代中頃に起きたグッチ三代目、マウリツィオの暗殺事件はご存知かもしれない。ハイブランドの会長が拳銃で殺されるという衝撃的な事件であった。さらに、その数年後に発覚した事件の首謀者は、あろうことかマウリツィオの妻パトリツィアであったのだ。スキャンダラスどころの騒ぎではなく、これだけでもう小説のようだ。映画の題材としてふさわしいというか、ニュースがぜんぶ映画のようだ。

本作はマウリツィオがパトリツィアと結婚するところから、殺害されるに至るまでを描いたドキュメンタリー風のフィクションである。事実を基にした作品、という言い方がされているのでドキュメンタリーではない。暗殺事件自体は現実のもので、事件にかかわった人物は全員実刑判決を受けている。おそらく本作は発表されている事実から遡り、細かなエピソードについてはフィクションも混ぜて作られているのだろう。しかし極めてよくできているため、ぜんぶが事実だと言われても何の違和感もない。むしろぜんぶ事実のようにさえ見える。

アダム・ドライバー演じるマウリツィオは何を考えているかわからない、あまり感情を表に出さない人物で、この人物の行動は読めない。彼が何を考えているのかは劇中でもさっぱりわからず、ひとつ前のシーンとまったく異なる行動をとり始めたりして、あれ?と思うことが何度もあった。捉えどころのない人物で、この人は頭が良かったのかアホだったのかもよくわからない。彼は父の反対を押し切って彼女と結婚したわけだが、彼がなぜそれほどパトリツィアにハマったのかも、作中ではよくわからなかった。対してパトリツィアの方は最初から欲にまみれていて見事だ。マウリツィオに近づいたのは完全に欲からだし、結婚した後の行動もものすごい。途中でマウリツィオに愛想をつかされるわけだが、それもうなずける。マウリツィオの気持ちがちゃんとわかったのは実にこの離婚したがった点ぐらいであった。パトリツィアの方はもう最後暗殺に走るところまで、一貫してなぜそのように行動しているのかが実によくわかる。わかりやすい人物だと言える。

そして映画のような話は映画のエンドロールを迎えて終幕する。ラストにその後の状況がテロップで説明されるが、現在のグッチにグッチ家の人間はいない、という事実がなんとも皮肉だ。グッチを世界に羽ばたかせた二代目までの社長たちは、結局その後のグッチを見ることなく死んでいる。そして彼らの死後、三代目であるマウリツィオも殺された。

なお、マウリツィオ殺害の首謀者であるパトリツィアは、既に刑期を終えて出所しているらしい。彼女だけは健在で、この映画化に難色を示していたそうだ。これ以上ないほど皮肉な話だ。

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