1. ライナーウェブ
  2. ニュース&記事
  3. おでかけ
  4. アリータ:バトル・エンジェル

サイバーパンクジャパン

アリータ:バトル・エンジェル

この記事は最終更新日から1年以上経過しています。
内容のー部もしくは全部が変更されてる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
©2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

巨大ロボットが怪獣と戦ったり、機械生命体が大暴れしたり、桁外れの宇宙船が降りてきたり、パワードスーツを着たヒゲオヤジが空飛んだり、およそとんでもない映像は出尽くしたんじゃないかと思っていたし、ものすごいものを見せられてもすごいとは思えど新しいと感じることはここしばらくなかったような気がする。

『アリータ』の映像は久々に新しい。超未来のスラムは雨が降ればブレードランナーで、世界観は新しくない。新しいのは主人公だ。主人公はサイボーグの少女で、CGアニメっぽい描き方になっている。リアル人間とシュガーラッシュのヴァネロペの間ぐらいにいる感じだ。周囲の人間は実写の人間。生身の人間と肩を並べて生身っぽい質感のアニメっぽいキャラクタがいる。この感覚は新しい。

アリータはロストテクノロジーによる最強のサイボーグで、少女だ。この「少女が最強」という図はジャパンの文化で、『アリータ』はそのジャパン的「少女っぽさ」をかなりまっすぐに追及している点が特に注目に値する。『マトリックス』から『アリータ』まで二十年かけてハリウッドはここまでジャパンに肉薄したのだ。アリータのロリータ性が本国でどの程度理解されるのか興味がある。(映画ライター・ケン坊)

ケン坊がさらに語る!WEB限定おまけコラム

この記事には映画のネタバレが少々含まれているので、まだ映画を見ていない人はその点をご承知おきの上で読んでください。

もっと読む

日本の漫画が原作だ。とはいえ。ここまでまっすぐに出してきたことには驚いた。日本の漫画文化、アニメ文化がハリウッドで映画化されて逆輸入されてくるというケースは近年増えていて、日本原作でなくても、『パシフィック・リム』みたいに日本のアニメ文化に色濃く影響を受けたものも増えている。日本のコンテンツの良さが次第に浸透してきたのだ、というような陳腐なこともいくらでも言えるし、その辺から例のクールジャパンという少々ピントのズレた動きも生じてきた。

しかしそういった動きに注目してみても、この『アリータ』ほどにジャパン的少女性を打ち出したものはこれまでなかったように思う。少し年齢を上方修正したり、セクシーさを強調してみたり、ワンダーウーマンみたいなグラマラスな美人にしたり。そういうアレンジが施されてきたように思う。『アリータ』はど真ん中ジャパン的少女なのが新しい。背は低いし、プロポーションも子供っぽいし、行動も純粋で素直だし、漫画的デフォルメの利いた顔は人間離れしている。この無垢っぽい少女が、ダーティで屈強な男(のサイボーグ)たちに襲われる。体格差5倍ぐらいの複数の相手を小さな少女が翻弄し、ぶちのめしていく。

この発想は極めてジャパン的だし、あまり欧米では受けないものだと思っていた。『アリータ』はかなり新鮮な映像体験とともにジャパン的少女性を提供するわけだが、これが本国でどんなふうに受け取られるのか、とても興味がある。これが本国でも正しく受け入れられるとしたら、正しくというのはアリータのロリータ性を理解した上でそこにセクシーとは違う何かを感じるというような意味だが、そのように受け取られるのだとしたら、ハリウッドが「萌え」を理解する日も近いのかもしれない。

関連スポット

イオンシネマ旭川駅前

道北最大級の8スクリーン1,200席

イオンシネマ旭川駅前

住所:旭川市宮下通7丁目2番5号 イオンモール旭川駅前4F

TEL:0166-74-6411/駐車場:900台

宮下通/アミューズメント

  • 駐車場
シネプレックス旭川

シネプレックス旭川

住所:旭川市永山12条3丁目ウエスタンパワーズ内

TEL:0570-783-882

永山/アミューズメント

関連キーワード

シネマの時間 バックナンバー

ババンババンバンバンパイア
音で聞くとわかるのに文字になると目が迷うタイトルだが、家族経営の銭湯に居候するバンパイアの話、と内容もだいぶ奇想天外だ。 傷つきさまよっていたところを幼い少年に... (7月11日)
F1/エフワン
ロートルおじさんが現役復帰し、血気盛んな若者と衝突しながらも生き様を見せつけて彼らの成長を促す。どういうわけか近年この種の物語が増えたように感じる。私自身がロー... (7月4日)
国宝
奇跡の映画だ。こんなにも凄みに満ちた作品が完成したこと自体に感動する。三時間もある上映時間が瞬く間に過ぎ去る。 本来世襲制である歌舞伎の世界を舞台に、血のつなが... (6月13日)
ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング
ある意味アクションシリーズの必然でもあるのがなんらかの要素のインフレ。バトルものは強さがインフレし、ドンパチものは飛び交う弾薬の数がインフレする。かくして本シリ... (5月30日)
かくかくしかじか
恩師と言われて思い浮かぶ顔はありますか?もしYesであれば、きっとそれはとても幸運なことなのだろう。日本に生まれ育つと多くの先生と出会う。学校の先生はもちろんの... (5月23日)
PRインターネット広告掲載はこちら »

ニュース / キーワード

ようこそ、ゲストさん

メールアドレス
パスワード

※パスワードを忘れた方はこちら

はじめての方はこちら

アカウント作成

ライナー最新号

2025年7月11日号
2025年7月11日号
熱い・辛い・冷たい いま食べたい麺類12選 飲食店特集【夏麺】
紙面を見る

ピックアップ

注目グルメ
注目グルメ
定番から新作まで ライナーが今注目する お店の味はこれだ!
シネマの時間
シネマの時間
映画ライター・ケン坊が語る新作映画とそのみどころ
外食チェーン
外食チェーン
人気商品ランキング上位3品をご紹介
味な人
味な人
北北海道で食に携わる人々の横顔をご紹介
つくろう旬レシピ
つくろう旬レシピ
プロの料理人が教える季節の食材を使った絶品レシピをご紹介
ものぴりか
ものぴりか
ライナーが集めてきた 地元の素敵な品々を紹介します
不動産情報
不動産情報
不動産・リフォーム等 住まいに関する情報を公開中
クーポン
クーポン
お得なクーポンを公開中
お知らせ
お知らせ
お店・スポットの お知らせ
ラーメンマップ
ラーメンマップ
ラーメン食べたいなぁ そんなときは専用マップで探してみよう
開店・移転・閉店
開店・移転・閉店
旭川市・近郊エリアの新店や創業などの話題。情報提供も歓迎!
星占い
星占い
7/15〜21の星占い

ページの最上段に戻る