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文字通りの“ワールド”到来

ジュラシック・ワールド/炎の王国

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©Universal Pictures

シリーズ1作目の『ジュラシック・パーク』。あの衝撃から25年も経つのかということがまた別の衝撃だ。25年目にして5作目となる本作は、前作はもとより、1作目から連綿と続いてきた様々な要素を継承している。個々の作品は雑に言ってしまえばどれも同じような展開で、私腹を肥やそうとするもの、科学の極みへ近づこうとするものなどが暴走してひどいことになる。主人公たちは少数で奮闘してそれをなんとかする。しかし似たようなことを繰り返しているようでいながら、なかなかどうしてしっかりつながった物語になっているのだ。

本作も、偉大なるマンネリとでも言うべきパターンを踏襲していながら、新たな要素を盛り込んで問題提起もしている。序盤の何気ないセリフがテーマの深いところにひっかかって残るなど、単なるパニック映画とは異なる後味を残す。ラストシーンも印象的で、まさに『ジュラシック・ワールド』というタイトルに相応しい。この先の世界がどうなるのかとても興味を掻き立てられ、たとえマンネリ化した次回作であろうとも待ち遠しくなる。ただ、「炎の王国」という陳腐なサブタイトルだけはもう少しどうにかならなかったのだろうか。(映画ライター・ケン坊)

ケン坊がさらに語る!WEB限定おまけコラム

この記事には映画のネタバレが少々含まれているので、まだ映画を見ていない人はその点をご承知おきの上で読んでください。

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冒頭からマルコム博士が登場する熱い展開。マルコム博士は今回本筋には絡んでこないものの、議会で実に彼らしい主張をする。これが冒頭のプロローグだけでなく、本編の合間にちょこちょこと挟まれてきて、登場する時間はわずかなのに強烈な印象を残す。ものすごい存在感だ。彼のラストのセリフは素晴らしく、「ジュラシック・ワールド」という言葉がパークの名前から文字通りの「世界(ワールド)」になったことを見事に言い表している。

本作もこれまでのシリーズと同じテーマに沿い、同じような展開でパニックを描くというひな型は踏襲している。ただ本作には重要なポイントとして、メイジーの存在がある。メイジーはベンジャミン・ロックウッドの孫という位置で登場する少女。彼女には秘密がある。本当は孫ではなく、ベンジャミンが亡くした娘をクローンとして蘇らせたものだというのだ。「そんな無茶な」と思うような話だけれど、思えばこの作品の世界ではクローン技術はほとんど完成されたものなのだから人のクローンだって完全な形で作れるのだろう。彼女がクローンだということは作品の後半に入ってから判明するのだが、序盤からクローンに関する言及はある。恐竜たちの寿命について、クローンの寿命はわからない、といったことが言われる。ものすごく短いかもしれないし、本来よりもはるかに長いかもしれないと。後半でメイジーがクローンだと判明したとき、序盤でのこれらの会話が全く違った重さをもってくるのだ。

ラストシーン。ロックウッド邸の地下に閉じ込められたまま死を待つのみとなった恐竜たち。恐竜たちを救うには地下から解放するしかないが、そこはもう閉ざされた島ではない。ここで恐竜たちを放てば、もはや人間の管理下には置けなくなることを意味する。さすがのクレアもその重さの前に救出を断念するような事態だ。しかしメイジーはためらわずに恐竜たちを解放する。「わたしと同じ、クローンだって命だ。」と。

放たれた恐竜たちは、もはや人間の居住区域で共存していくことになるのだ。生態系の頂点に君臨していたはずの人間は、一夜にして肉食竜に捕食される側になった。そしてマルコム博士の「ウェルカム・トゥ・ジュラシック・ワールド」という言葉。次作への期待感という意味では、本作は間違いなくシリーズ最高である。

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