
- ©2026「ほどなく、お別れです」製作委員会
葬祭プランナーという仕事を描くいわゆるお仕事映画である。多くの日本人がお世話になる仕事だが、意外とその裏側は知らないのではないだろうか。この作品は葬祭プランナーという仕事を通じて、さまざまな形の別離を描く。主人公を駆け出しの葬祭プランナーにしたことで、さながらオムニバスお別れストーリーといった展開が可能になっているわけだが、あまり全面に押し出されてはいない彼らの仕事ぶりやその大変さ、大切さ、そしてやりがいなどが見てとれるようになっている。
生きていれば皆いつかは死ぬ。命には必ず終わりが来ると誰もが知っているのに、それでも誰かの死は周囲の人にとって大きな喪失感となる。葬儀は遺された人のためにある、とよく言われるが、本作では旅立った故人の想いにも目を向ける。ここに少々ファンタジー要素があり、若干都合の良い話になってしまっている感はあるのだけれど、それも含め、生きている人たちが気持ちに整理をつけ、明日からをまた生きていけるようになるために、このような儀式が必要なのであろう。
この映画を見るとなんでもない日常がとても大切に思えてくるだろう。当たり前みたいな今日は、本当は奇跡のような一日なのかもしれない。(映画ライター・ケン坊)
ケン坊がさらに語る!WEB限定おまけコラム
この記事には映画のネタバレが少々含まれているので、まだ映画を見ていない人はその点をご承知おきの上で読んでください。
死者の霊と会話することができる主人公が、葬祭プランナーとして、故人とも遺族とも寄り添いながら奮闘するお仕事ものである。霊と話せるという設定によって単なるお仕事ものから少々ファンタジックな世界に踏み込んでいるわけだが、少々都合の良い設定に見えなくもないものの、全体としてはそれほど荒唐無稽なものにはならず、しっかりリアリティを持った物語として収まっている。
葬祭プランナーという仕事は多くの人が接するものである。日本においては、誰かが亡くなれば一連の儀式を行い、火葬するところまでがセットになっている。火葬することが必要であるため、儀式の部分は宗教の合わせて変動するものの、火葬までセットという部分はだいたい共通しているだろう。その葬祭のあれこれをまとめて引き受けてくれるのがいわゆる葬儀屋と呼ばれる人たちだ。多くの人にとって葬儀はそれほど頻繁に行うものではないのだが、もちろん葬儀を取り仕切る仕事をしていれば、一日に何本も対応したりすることもあろう。本作はその、この世界で働いていなければ知ることがないような、毎日誰かの死に立ち会っている状況を描いている。
なじみの薄い職業を描いたお仕事ものとしても興味深いし、描かれるいくつかの死にまつわる物語も強く響く。死というのは誰にも訪れるものであり、いわばすべての観客にとって自分事である。それを主人公の職業により、物語の必然として列挙できるのは、見方によっては少々ズルいような気もする。それでもタイプの違ういくつかの死の形は、いちいち見る者の心に大きな波を起こすのである。






















