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年末スペシャル

シネマの時間2025
宇宙映画10選

今年もやってまいりました、年末スペシャル!今年は4年ぶりに、国際宇宙ステーションに日本人の宇宙飛行士二人が同時滞在したんだそうです。知ってました?というわけで、なぜかそれを勝手に記念してしまおうということで、宇宙や宇宙人を題材にした映画を新旧・洋邦織り交ぜて紹介したい。(映画ライター ケン坊)

「インターステラー」(2014年公開)

今をときめく名監督クリストファー・ノーランによる宇宙ものの代名詞的な定番の名作。登場する技術をがっちり理論的に裏付けていくいわゆるハードSF的な作品でありながら、なかなかどうして、ロマンティックな側面も多い魅力的な作品である。気が遠くなるほどの距離を隔て、想像を超えた時間の経過を経て再会する父と娘。ワームホールというある種のSF的チートを使ってもなお、宇宙のスケールは人類の寿命に対して大きすぎるのである。

「2001年宇宙の旅」(1968年公開)

言わずと知れた特撮SF映画の金字塔で、宇宙を描いた映画として絶対に外せないと言っても過言ではないだろう。CG映像を見慣れた今の目から見ても、これが50年以上も前の特撮技術で撮影されているとは信じられない。物語も非常に深く、今なお新鮮に映る。タイトルだけは知っているけれどどんな映画だっけ?という人はぜひ、この冬見る映画のリストに加えてほしい。気が遠くなるような方法で撮影された圧倒的な映像は必見だ。

「アド・アストラ」(2019年公開)

「母を訪ねて三千里」に対して、こちらは父を訪ねて45億キロである。宇宙を舞台にするとすぐ何光年も離れた世界になりがちだが、この作品は太陽系の中での最果て、海王星を描いている。太陽系でありながら太陽の光もほとんど届かないほど遠い。ワープ航法みたいなものを持ち出さなくても現実的な時間で一応たどり着くことができそうな距離感が、かえって絶望的なほど遠い感じをもたらす。巨大なスケールで描かれる父と子の物語である。

「カウボーイ&エイリアン」(2011年公開)

タイトルがあまりにも強く、ネタなのか本気なのかよくわからない。そのうえ主演が007でお馴染みのダニエル・クレイグということで、一層どこを目指しているのか謎が深まる。物語は西部劇の時代にエイリアンがやってくるという設定で、意外とこのような建付けの話はあまり見たことがなく、新鮮さがあった。あらゆる要素がイロモノっぽさを醸し出しているのだが、なかなかどうしてけっこう面白い。ダニエル・クレイグのインパクトがすごくて忘れそうになるが、ハリソン・フォードも出ている。

「王立宇宙軍 オネアミスの翼」(1987年公開)

日本が誇るアニメ映画の名作。1987年公開と少々古めで、あまりテレビで放映される機会がないので見たことがない人も多いかもしれない。舞台は地球ではないが地球とそっくりな星という設定で、主人公たちはロケットの打ち上げを目指す。打ち上げた先の宇宙の物語ではなく、打ち上げを目指すという物語が少々地味ではあるのだが、人物を丁寧に描いているほか、作画レベルが非常に高くて見応えがある。特にクライマックスは超作画満載で圧巻の迫力だ。

「アルマゲドン」(1998年公開)

往年の大ヒット映画だが既に27年も前の作品なので、若い世代は見たことがない人も多いのではなかろうか。小惑星が地球に接近し、衝突すれば地球滅亡レベルの大ピンチが訪れ、この小惑星に人間が直接乗り込み、穴を掘って爆弾を埋めて内側から破壊しよう、というマッチョな作戦を遂行する物語である。ストーリーも主題歌も、なにもかもが激熱なので、見たことがない人はこれを機にぜひ見てほしい。

「惑星ソラリス」(1977年公開)

スタニスワフ・レムの小説『ソラリス』をアンドレイ・タルコフスキー監督が映画化したもの。同じ原作がのちに別の監督でも映画化されているが、ここで紹介するのは古い方である。この作品は原作が実に面白いのだが、残念ながら映画はいずれも原作の面白さを表現できていない。このタルコフスキー版も原作とはだいぶ異なるのだが、宇宙は未知のもので、その分からないっぷりはきっと我々の想像をはるかに超えてくるという視点はきわめてSF的で面白い。

「メッセージ」(2010年公開)

宇宙から謎の物体が飛来し、その中にいる地球外生命体と思しきものと意思疎通を図ろうとする物語。言語学的な観点から未知の言葉で発信されるメッセージを解読しようとする話で、すぐに攻撃しようとする短絡的な人々との競争が始まる。最も興味深いのは彼らの言葉を知ろうとする過程で地球人が未知の能力に目覚めていく部分。我々は言葉の生き物であり、まったく新しい言語を手に入れることでまだ見ぬポテンシャルを発揮するという発想は、きわめてSF的センス・オブ・ワンダーに溢れている。

「第9地区」(2010年公開)

宇宙人が地球にやってくる物語は大昔からいろいろと作られてきた。友好的な者か侵略してくる者か、大部分はいずれかであった。しかしこの作品は違う。難民として地球にやってきた宇宙人と、それを抑圧する地球人という対立構造を描いている。自分たちと異なるものが入ってくることへの嫌悪感と、それに起因する差別意識の発生。宇宙人を題材に描かれているが、よく似た話が現実の地球上で起きてはいまいか。まさにSF的視点の名作である。

「スタートレック」(1979年公開)

大量の作品が存在する宇宙大河ドラマシリーズだが、今回紹介したいのは1979年の映画第一作。スタートレック旧シリーズの一作目は、SF的センス・オブ・ワンダーに満ちた傑作である。今見ると映像としては古さを感じざるを得ないが、ストーリーは非常に面白い。この作品はスターウォーズのような完全なおとぎ話ではなく、地球の未来という設定なのでよりSF的である。未見の人はぜひストーリーを調べずに見て、驚きの展開を楽しんでほしい。


宇宙がテーマの映画は面白いのが多すぎて、あれもこれも入ってない!という感じだけれど、我ながらなかなか面白いラインナップになったのではないかと思う。ぜひ年末年始休みのおともに、一つ二つ選んで鑑賞してみてほしい。

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