- カフェではエゾシカ肉100%のハンバーグなどを提供。エゾシカカレー、ボロネーゼなど加工品の物販も行っています。最近はまっているのはコロナ禍に始めた和太鼓。日本の精神文化や美しさに強く惹かれました
東京での会社員生活に区切りをつけ、北海道へ移住。札幌、旭川を経て、2015年に東川町にカフェをオープンしました。「せっかくなら東京とは真逆の暮らしを」と、自然と隣り合う場所を選びました。
エゾシカと車の事故など、日常のなかにあふれる北海道らしいニュースに驚きつつも、「これほど鹿がいるのに、食べる機会が少ない」と感じ、ジビエ料理に興味を抱きます。狩猟の現場を知ろうと、駆除制度などを学び、中頓別のハンターから鹿肉を仕入れて提供を始めます。コロナ禍では補助金を活用して解体場を整備し、自ら狩猟や解体にも取り組みました。初めて自分でさばいた鹿を口にしたとき、言葉にならない感情が込み上げます。「これまでの“いただきます”は嘘だ」。そう感じて、涙が止まりませんでした。
スタッフが解体中に鹿をまたいだりしたら、本気で怒ります。その背景には、命への深い敬意があります。
エゾシカ肉をもっと身近に。「そのためには、命をきちんと仕留め、きれいに解体できるハンターの育成が必要。そういう人を育てて、次の世代につないでいきたい」と力を込めます。ハイヒールを脱いで山に入った先にあったのは、本当のいただきますと向き合う新しい日々でした。
ハルキッチン
東川町東11号南4
Tel 090-6992-0131
営業時間 11:30〜LO14:30
定休日 月〜水曜
※冬季(11~3月)は解体施設運営のためほぼ休業