1. ライナーウェブ
  2. ニュース&記事
  3. おでかけ
  4. TAXi ダイヤモンド・ミッション

クルマが大好きなんです

TAXi
ダイヤモンド・ミッション

この記事は最終更新日から1年以上経過しています。
内容のー部もしくは全部が変更されてる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
©2018 - T5 PRODUCTION - ARP - TF1 FILMS PRODUCTION - EUROPACORP - TOUS DROITS RESERVES

本質とはまるで関係ない小さな要素が気になってしまい、そのせいで本来見るべきものに目がいかなくなる、そんな経験あるでしょう。『TAXi ダイヤモンド・ミッション』はTAXiシリーズの5作目。メインキャスト一新で出てくるこの作品を大いに楽しみにして見に行ったのに、些細なことが頭を支配する。それは強盗団のボス、トニーの肌が異様にきれいなことだ。トニーはイタリア人で体格が良く、ひげもじゃでサングラスをかけている。そのひげもじゃのすぐそばできめ細かいお肌がつやつやしている。サングラスを外せばパッチリおめめで、「この人はぜったい悪人ではない」という印象を受ける。しかし強盗団のボスでれっきとした悪役。ひげもじゃなのに餅肌。おかげでほかのあれこれは吹っ飛んでしまい、ひたすら彼の顔が印象に残る。新しい主人公は若かりし日のジェイソン・ステイサムみたいであったがインパクトとしてはひげ餅にかなわない。

前の四作と見比べると少々見劣りするのは否めない。しかしスーパーカーがド派手に走り回ればそれ以外どうでもいいという割り切りはむしろ痛快だ。そもそもストーリーなど無いに等しいのでシリーズを全然見たことなくてもOK。(映画ライター・ケン坊)

ケン坊がさらに語る!WEB限定おまけコラム

この記事には映画のネタバレが少々含まれているので、まだ映画を見ていない人はその点をご承知おきの上で読んでください。

もっと読む

もともとこのシリーズはレーサー顔負けみたいなタクシーの運ちゃんが、ほとんどボンドカーかナイトライダーみたいなムチャなタクシーで犯罪捜査に協力する、というような話だ。リアリティなど最初から求めていないし、ストーリーもどうでもいい。重要なのはムチャなタクシーが走り回るというただその一点のみだ。

本作はその5作目にあたるのだが、前作はもう10年以上前になる。1作目は20年前で、1作目からの10年間で4本が作られ、本作は10年ぶりにシリーズが再始動した作品、というような位置づけにある。メインのキャストを一新して再始動したというもので、似たようなケースとして『トランスポーター』シリーズが思い浮かぶ。思えばあれもリュック・ベッソンだ。トランスポーターの方は主人公が入れ替わっても「これはまぎれもなくトランスポーターだ」というものになっていた。しかしTAXiの方はちょっとうまくいっていない。

『TAXi』シリーズは前述のように、超人的なドライビングテクニックを持った主人公が「タクシーの運ちゃん」であることに意味があった。だからこそのTAXiというタイトルなわけだ。トランスポーターも運び屋で、やはりその点がブレてはいけない。ところが今回、本作の主人公は警察官なのである。警察官がふとしたことから例のムチャなタクシーの存在を知り、それを手に入れて捜査に使う。つまり車こそ前作に登場したあのタクシーだが、それを運転するのは警察官だ。これははたしてタクシーと呼べるのか。

そして、映画ファン的な感覚からすると、『TAXi』という映画はフランス映画であるという点も重要だった。フランス映画だからフランス車であるプジョーの車が大活躍する。どんなスーパーカーよりも速いプジョー。本作に登場するタクシーは前作のものを引き継いでいるからもちろんプジョーではある。しかしもう10年以上前の映画に登場したそのままの車種だ。途中で新型のプジョーに乗り換えるとかしても良かったのではないか。『トランスフォーマー』のバンブルビーは登場するたびに新しいカマロにアップデートされているではないか。さらにストーリー展開にもフランス車的に問題がある。今回の敵はイタリアの強盗団で、フェラーリやランボルギーニのスーパーカーで立ちはだかる。そこにプジョーで挑む。それはもう当然熱い。イタリアの世界的なスーパーカーを小型のプジョーで脅かすのだからそれ自体はとても良い。が。ラストでなんと、例のプジョーはお釈迦になり、主人公は強盗団から没収したランボルギーニのアヴェンタドールで去っていく。これはダメだろう。どう考えてもダメだ。ここで新型のプジョーを出すべきだっただろう。もちろんプジョーじゃなくてシトロエンでもいいが、いずれにしてもフランス車じゃないとダメ。

TAXiの再始動は喜ばしい。しかし嬉しそうにランボルギーニのステアリングを握るような主人公を断じて許してはならないのだ。

関連スポット

シネプレックス旭川

シネプレックス旭川

住所:旭川市永山12条3丁目ウエスタンパワーズ内

TEL:0570-783-882

永山/アミューズメント

関連キーワード

シネマの時間 バックナンバー

死霊館 最後の儀式
実在のエクソシスト、ウォーレン夫妻を題材にしたシリーズの完結編として登場したのが本作である。死霊館シリーズと言えばアナベルというオソロシイ人形を覚えている人も多... (10月24日)
秒速5センチメートル
新海誠の稀有なほど美しいアニメーション作品を実写映画として再解釈した作品であるが、どちらかというと新海誠による小説版を元に改めて脚色し、映画化したもの、と見るの... (10月17日)
ベートーヴェン捏造
誰もが知っている歴史的音楽家、ベートーヴェン。彼にまつわる逸話はいろいろあるのだが、その大部分の根拠となっているアントン・シンドラーによる伝記は、捏造と改ざんに... (9月19日)
ヒックとドラゴン
だいぶ前にアニメーションの作品で同タイトルのものがあり、それも見に行ったのだが、それと似たような内容の実写版といった印象の作品である。この作品には原作の絵本があ... (9月12日)
バレリーナ:The World of  John Wick
ジョン・ウィックと言えば復讐の鬼的ドンパチアクションシリーズ。シリーズを通じて数えきれないほどの人が死んだ映画である。本作はそのスピンオフで、一作目のエピソード... (8月29日)
PRインターネット広告掲載はこちら »

ニュース / キーワード

ようこそ、ゲストさん

メールアドレス
パスワード

※パスワードを忘れた方はこちら

はじめての方はこちら

アカウント作成

ライナー最新号

2025年11月4日号
2025年11月4日号
食欲の秋が終わる前に お外で食べたいお昼10選 特集・ランチジャーナル
紙面を見る

ピックアップ

注目グルメ
注目グルメ
定番から新作まで ライナーが今注目する お店の味はこれだ!
味な人
味な人
北北海道で食に携わる人々の横顔をご紹介
シネマの時間
シネマの時間
映画ライター・ケン坊が語る新作映画とそのみどころ
つくろう旬レシピ
つくろう旬レシピ
プロの料理人が教える季節の食材を使った絶品レシピをご紹介
スーパー惣菜
スーパー惣菜
新米のお供編
ものぴりか
ものぴりか
ライナーが集めてきた 地元の素敵な品々を紹介します
不動産情報
不動産情報
不動産・リフォーム等 住まいに関する情報を公開中
クーポン
クーポン
お得なクーポンを公開中
お知らせ
お知らせ
お店・スポットの お知らせ
ラーメンマップ
ラーメンマップ
ラーメン食べたいなぁ そんなときは専用マップで探してみよう
開店・移転・閉店
開店・移転・閉店
旭川市・近郊エリアの新店や創業などの話題。情報提供も歓迎!
星占い
星占い
11/4〜10の星占い

ページの最上段に戻る