旭川ラーメンを作り、 その奥深さに迫る。

麺にはこだわるべし

スーパーで市販されている麺とラーメン専門店で使っている麺は、基本的に別物と考えるべきだ。市販の麺は、やはり日持ちができる状態で出荷しなければならない。また価格も、スーパーで消費者が購入しやすいことを前提としている。旭川の製麺技術は優れているが、市場のニーズに合わせて、そうした流通用の麺しかスーパーで手に入らないのは残念なことだ。プロ仕様の麺が市販ですぐ手に入り、家庭でもっと多くの人がラーメンを作るようになれば、旭川のラーメン文化の底辺もさらに広がることだろう。

あまり知られていないが、いくつかの製麺会社では、一般向けに直販も行っている。今回は、春から秋にかけて毎月、工場直販イベントを開催している「旭川製麺」で、直接麺を購入することにした。

まず、スタンダードな旭川ラーメンの麺とはどういったタイプなのか、同社の鷲尾社長に聞いてみた。

「旭川ラーメンと言えば、低加水率の中細ちぢれ麺という表現を聞いたことがあると思います。これは、生地に含まれる水分が低いということで、水分が少ないとより小麦感が前面に出たもちっとした麺になります。一方の札幌ラーメンは、水分が多く、表面がつるつるとした食感になります。しょうゆ味がメインの旭川ラーメンには、やはり麺の存在感を感じる低加水率の麺が合っていると思いますね。さらにスープとよくからむよう、工夫したのが独特の縮れです。このウェーブが、麺をすすった時、空気と一緒にスープを味わうという感じを出しているわけです。麺とスープ、それぞれ単体で進化してきたのではなく、互いの特長を高めあう形で発展してきたのが、旭川ラーメンです」。

そんなわけで、今回はその日に製造した生麺を購入してきた。専門店同様のハイグレードな麺だ。ゆで時間は、1分30秒～40秒くらい。

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