旭川ラーメンを作り、 その奥深さに迫る。

いざ、スープ作りスタート

アクをとり終えたら、いよいよスープ作りのスタートだ。さきほどのとんこつと鶏がらをずんどうで煮込んでいく。いわゆる「とんこつ臭さ」は、この工程で沸騰させてしまうために出るものらしい。九州の白濁とんこつラーメンはあえて、ガンガン煮立たせるが、今回目指すのはあくまでスタンダードな旭川ラーメン。弱火で沸騰しないよう注意しながら煮込んでいく。煮込む時間は、事前に複数のお店にリサーチしたのだが、その店によってさまざまだ。5時間でよいという店主もいれば、10時間かけるという店主もいる。中には火はずっとつけっぱなしという店もあった。ラーメンは非常にガス代がかかるのだ。

スープには野菜も入れる。玉ネギ、ニンジン、ショウガなど香味系の野菜がよく使われる。キノコ類などを入れる店もあり、やはりここで個性を出している店もある。野菜はスープに甘みを出し、とんこつ、鶏がら、魚介などのエキスをひとつにまとめるツナギのような役割もある。

野菜を入れると、とんこつ臭さがマイルドになり、甘い香りが立ち上る

魚介スープで風味をプラス

旭川ラーメンといえば、ここに魚介系の出汁を加える。一時期流行った「魚粉」のトッピングは、完成したスープに直接加えるのでガツンといった強烈な香りになるが、旭川ラーメンの場合は、あくまでとんこつの強さをマイルドにして、風味を加えるためのもの。Wスープというと、獣系と魚系の出汁を別々にとって、最後にミックスするというイメージだったが、現在ほとんどのお店はひとつのずんどうで、後から魚介の乾物を加えているらしい。プロがそうしているなら、それで十分なのだろう。今回は、とんこつと鶏がら、野菜を煮込み始めてから1時間で、適当にアジ節(3尾)を加えてみた。昆布も入れてみたが、煮込みすぎると苦みが出るので1時間くらいで取り出すのがよい(と、ラーメン屋さんが言っていた)。

スープをとり始めてから5時間。とんこつ、鶏がらはホロホロと崩れ、髄の部分から旨みが溶け出しているのが分かる。香味野菜も、くたっといい感じになってきた。温度設定は90度くらいにしたので、水分はあまり飛んでいない。途中で水を加えないといけないか？と思っていたが、このまま完成まで漕ぎ着けそうだ。ちょっとスープが濁ってきたので、少しだけ火を弱めて、スープとりを継続する。いい感じ、いい感じ。

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【ぞっこんラーメン】スープをとっている間にトッピング作り…