コーヒー豆に
愛される男

　日本は古来、森羅万象に神を認める「八百万の神」の考えが信じられてきた。山の神様、田んぼの神様、トイレの神様…ならば、コーヒー豆の神様がいても不思議ではない。

　コーヒーデリバリーのアラビゴコーヒー(忠和4ノ7)のスタッフ間野卓さんは、コーヒー豆の神の啓示を受けた国内でも数少ない焙煎職人だ。

　「10年くらい前かな。豆を煎ってないのに突然コーヒーの香りがして、天井から光が差してきて。とても穏やかで幸福な気持ちになったんだ」。

　間野さんはそれから、コーヒー豆と会話ができるようになったという。「もっと焙煎してくれとか、語りかけてくるんだ。この子は調子を崩しているな、とかも分かるようになったね」。

　にわかに信じがたい話だが、我々は間野さんがコーヒー豆と会話を交わす場面を激写することに成功した。「1粒1粒が天使のようだ」と恍惚の表情で語る間野さん。コーヒー豆を愛し、コーヒー豆に愛された男が煎じたコーヒーを味わってみてはいかがだろうか。

※ライナー編集部がスクープした、旭川のエイプリルフールニュース5本のうちの1本です。もちろんフィクションです。