大学卒業後に大手外食チェーンに就職し、店舗運営を学んでいたある日、地元の東川町などでライフスタイルショップ「Less(レス)」を営む兄の令さんが飲食店を立ち上げることに。「力を貸してほしい」と誘いを受けたのがUターンのきっかけでした。

オープンは2012年。多様な人々が交わる場を目指し、店名は「食卓」をキーワードに名付けました。当初は店長として運営を担っていましたが、厨房スタッフの退職もあり、1年後には料理人の道に。実は調理の経験はほとんどなく、ゼロからの再出発でした。食堂と喫茶、週末は酒場。3つの営業形態を切り盛りするため、必死で学びました。様々な店を食べ歩き、時には町内に店を構える先輩料理人に教えを乞うことも。年に数日、道外のシェフを招くポップアップレストランでは、「やっていることが間違っていないか、答え合わせのつもりで自身の料理を見てもらっていました」と振り返ります。

いま10年が経ち、ようやく手ごたえを感じ始めています。扱う食材、イスや器一つひとつに物語や意味があるという、兄から教わった言葉を胸に、「この土地ならではの食材や生産者にスポットライトが当たるような料理を提供していきたい」と浜辺さん。たくさんの客で賑わう食卓を見つめ、目を輝かせています。