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紅葉の時期が来ると、刻一刻と近づく冬の気配に猛烈に気分が落ち込んでいく。毎朝布団から出るのが億劫になり、肌も乾燥するし腰も痛くなりがちだ。そんな日々をポジティブに変換するには、やはり旬を味わい、楽しむしかないのだ。
定番の洋食や日替わり弁当、酢豚や八宝菜などの中華まで、見ているだけで楽しくなるラインナップが自慢。ファミレス並みの豊富さに加え、冷たい麺類など季節限定のメニューも充実している。アイスコーヒーからホットコーヒーへと変わるように、食べたいものだって変わっていく。
そんな中、かぼちゃやさつまいも、さんまに秋鮭といった旬の味覚と同様に、食べたくなるのがドリアだ。急激な気温の変化に対応するにはスパイスも必要だろうと、カレードリアを注文した。こんがりと焼けたとろとろのチーズが、湯気とともに香る。はふはふしながら食べていくと、食べ応えのある肉がゴロゴロと顔を出す。バターライスの風味も絶妙だ。ドリアのためだけに作られたような、この皿のフォルムもたまらなく好きだ。食事中はいつも夢中。ついついその熱々の皿を触り、冷えた水のグラスで冷やすのも、もはやルーティンと化している。最後の一口に、焦げてふちについたチーズを削り取って締めた。
昭和49年創業の、自家焙煎の先駆けともいえる同店。コーヒーの味もさることながら、料理にかけるシェフの情熱も、若いファンが増えている理由のひとつだろう。昭和から令和へ、時代に合わせて変化しつつ、昔ながらのファンも置きざりにしない。広告業界も紙からウェブへ。業種は違えど学ぶことはたくさんある。そんなことをぼんやりと考えながら、やけど気味の指を静かに冷やし続けた。(文/武山 勝哉)