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秋が深まり、朝晩の冷え込みが強まってきました。庭木を枝折れや寒さから守る「冬囲い」にもそろそろ手を付ける時期。旭川市末広の造園業「緑の森ガーデン」の業務統括マネージャー・長内直子さんは、日々総務の仕事をこなしながら、現場にも出かける庭木職人です。同僚のベテラン職人と一緒に、竹や縄、ムシロなどを使用して、庭木を雪や寒さから守ります。
庭木職人の世界に入ったのは8年前。同社は造園業のほか、NPO法人「癒しの森づくり」をもう一つの業務の柱に据えています。会社の敷地内で癒しの森づくりに取り組み、春と秋にはイベントを開催。代表には当初、NPOを手伝ってほしいと声を掛けられ入社しました。ただし、NPOの活動を継続していくためには収益事業が必要で、それが造園業でした。
シングルマザーである長内さんは「精神的にも経済的にも自立しなければならない」という思いが強くありました。高校時代はソフトテニスの国体強化選手にも選ばれた体育会系。この仕事にも、持ち前のガッツで挑戦しました。同社が手掛ける冬囲いの仕事は、1シーズン70~80件ほど。最初は庭木の剪定も一本一本、先輩に確認してからの作業でしたが、3年ほどでコツをつかみ、自分なりのセンスで剪定できるようになりました。
冬囲いの縄の結び方には「男結び」という基本があります。縄を無駄なく使うことができ、見た目もよく、結び目の強度もあります。「シーズンの最初はなかなか思い出せないんですが、経験を重ねて、頭ではなく体で覚えました。これが職人なんでしょうね」と笑います。
冬囲いは、見た目の美しさもポイントになります。最近は洋風庭園が増え、そこまで美しい冬囲いを求めるお客さんは減りましたが「昔ながらの職人は、そんな仕事は自分で許せない。結果、オーダーよりも立派な冬囲いをして帰ってくる」(佐藤秀夫代表)といいます。
一方、長内さんはいい意味で柔軟な対応ができます。「剪定でも冬囲いでも、ほぼ必ずお客さんに感謝の言葉をかけられる。体力的にはきついけれどそれが一番のやりがい」と笑顔を見せます。
長内さんはいま、庭木職人と、NPOでは副理事長として、業務にあたっています。庭木の仕事は、NPOの活動にも役立っているといいます。「最近、旭川のよさって何だろうと考えることが増えました。都会的な豊かさではなく、緑に囲まれた地方ならではの豊かさもあるはず。それを伝えて続けていきたい」と力を込めます。
緑の森ガーデン 庭木職人
長内 直子さん
☎0166-76-5028