残雪をかき分けて顔を出す山菜は、早春の自然からの贈り物。素材の味を素直に引き出す料理を身上とする同店では、天ぷらで提供しています。

取材日の皿には、近郊の野山で採ったばかりのフキノトウとタラの芽、アスパラが盛り付けられました。薄くまとわせた衣のさくっと心地よい食感のあとから、独特の香りとほのかな苦み、瑞々しい甘みが立ち上ってきます。家庭で揚げるとペタッとなりがちなフキノトウも、料理人の手にかかればカラリと色よいまま。だしを利かせた天つゆもいいですが、香りを引き立てる抹茶塩でいただくのがよさそうです。

「この料理には吟醸酒が似合います。すっきりした飲み口で、油を払ってくれますよ」と店主の町田将紀さん。5月末頃までの限定で、一人前1080円。