- 「妊娠、出産の悩みだけでなく、育児や夫婦間の悩みまで打ち明けることも」と助産師への信頼を語るメンバーたち
旭川市内に3カ所あった助産院が、この夏から嘱託医療機関の閉鎖により、分娩業務ができなくなっています。そこで助産院での出産経験があるお母さんや現役の助産師ら有志が「助産院に産声を!応援会」を立ち上げ、旭川市に助産所の分娩体制確立を求める署名活動を行っています。
助産院は、妊婦一人ひとりと時間をかけて向き合い、検診から出産、産後まで同じ助産師が継続してケアできるのが特徴。一般の病院ではなかなか手が届かない部分をカバーし、じっくりと信頼関係を築きながら、十人十色の出産体験をサポートしてくれます。旭川でも多様な出産のスタイルに応えようと、ここ数年でじわりと増えてきました。
しかしこうした助産師の活動には、妊産婦の緊急時に対応する医療機関を置くことが医療法で義務づけられています。旭川市ではこれまで医療連携していたクリニックが閉鎖したことで、助産師が分娩に対応するには新しい嘱託医を探す必要がありました。「助産院あゆる」の院長・北田恵美さんら開業助産師3人が旭川市医師会に相談しましたが、前向きな返事が得られなかったことから、応援会で署名活動を始めました。
自身も助産所で出産した経験を持つ同会の村田愛子(写真左前)さんは「妊娠や出産だけでなく、孤立しがちな育児期間に必要な、女性のかけこみ寺としての役割もあると思います。助産院でのお産を望む方がいるなら、その選択肢があることが重要」と話します。
会では12月中旬までに2万筆の署名を目標として、SNSで情報発信を続けています。詳細はフェイスブック「助産院に産声を!応援会旭川」で案内中。問い合わせは会の水島さん(☎090-2055-3250)へ。