- 夏まつりのラーメンフェスティバルで学生のラーメン作りを見守る江口教授(右)
- 上川町のあさひ食堂で本格的なラーメン作りを学び、年々進化してきた「江口ラーメン」
ラーメン研究を通して実践的に経済と経営を学ぶ、ユニークな活動で知られる旭川大学経済学部の江口ゼミナール。新型コロナウイルスの影響でイベント中止が相次ぎ、出店の機会は減りましたが、先輩たちが代々継いできた「江口ラーメン」ののれんを守るため、現役生らは奮闘しています。
江口ゼミが経済学の題材としてラーメンに着目したのは2004年。地方の大学が、地域とのつながりを重視する以前のことで、「大学や同僚からも奇異の目で見られました」と江口尚文教授。旭川を代表する食文化で学生にも身近なラーメンが、どのように地域の産業と結びついているのか。それを現実の社会から学び、イベントでは実際にラーメンを作って販売する。もちろん、仕入れ原価なども計算し、利益を上げることを目指します。
一杯のラーメンから学べることは経済学だけにとどまりません。食材の仕入れで、製麺会社や食品メーカーと交渉するのも学生たち。旭川のラーメン本を発行した時は、取材ではまず、店主に信頼してもらうコミュニケーション力の大切さも学びました。
江口ゼミが中心となって実行委員会をつくる「ラーメン甲子園」では、当日の売り上げだけでは予算が足りないため、スポンサー集めにも学生たちは動きました。
コロナ禍で大学はリモート授業になり、夏まつりや食べマルシェなどイベント出店の機会は減りました。しかし、江口ゼミのラーメンの評判を聞いた地域の企業から、少しずつ出店依頼が届くようになりました。
取材やイベントを通して、様々な人と出会った学生たちは、以前よりも地元への関心が高まったように見えます。江口教授は「学生たちにはラーメン研究を通して、地域経済や経営の仕組みを理解し、社会で通用する人間力を養ってほしい」と話しています。
江口ゼミの次回出店は、11月21日(日)11時から。場所は中富良野町の国道沿い、パーラーダイエー中富良野店の駐車場。問い合わせはメールで江口ゼミ( eguzemi28_forever@yahoo.co.jp )まで。