ローガン・ラッキー
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マッチョなドロボーコメディ

 いかにもB級っぽい空気が漂う作品だが俳優陣はけっこうな顔ぶれ。「超豪華食材で作った牛丼」といった感じだ。主人公が仲間を集めて巨大な盗みをやるという話をコメディタッチで描いている。オーシャンズシリーズみたいな感じだと思って見ていたらオーシャンズもネタとして入っていた。泥棒はもちろん犯罪なのだが、明るくコミカルに描かれているため、犯罪映画という感じではなくあくまでも楽しいコメディである。

 元フットボール選手の主人公に、退役軍人の弟、収監中の爆弾魔などマッスルな男ばかり登場する。よく見ると退役軍人の弟はスターウォーズのカイロ・レンを演じたアダム・ドライバーだし、爆弾魔は007ことダニエル・クレイグと豪華だ。

 泥棒作戦そのものは、作戦としてはなかなか面白いものの、その実行には少々ご都合主義的なところがある。そのためミッションそれ自体のスリリングさを味わうという感じではないが、人物たちのやり取りがいちいち笑えるので楽しめる。犯罪を描いているのにひどい目に合う人がほとんどいないので気持ちよく笑いやすい。事件後の後日談的な部分もスッキリと後味が良く、爽やかな余韻を楽しめる。

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ケン坊がさらに語る!WEB限定おまけコラム

この記事には映画のネタバレが少々含まれているので、まだ映画を見ていない人はその点をご承知おきの上で読んでください。

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 主人公は建設現場で働いていたが、解雇されてしまう。その解雇前に働いていた現場で得た情報から、ある巨大な盗みを思いつく。思いついた盗みは途方もないもので、その計画は無茶苦茶である。「そんなにうまく行くかよ!」と突っ込みたくなる部分が満載だが、そうやって突っ込みながら見ることがまた楽しいのだ。

 主人公は巨大な金庫を破るために、爆弾の名手っぽい男をスカウトする。スカウトしに行った先はなんと刑務所だ。収監中の囚人に面会しにいき、その面会で犯罪への加担を頼むのだ。一時的に脱獄させ、ことが済んだらまたこっそり戻ってバレないようにしよう、というのだ。無茶苦茶である。

 この刑務所から脱獄し、ドロボーを働いた上でまた戻ってくる、という部分がこの作品の大きな山場だ。これはもうかなりのご都合主義的展開に力を借りなければ実現できないわけだが、それが興醒めにならないほど楽しい。随所に織り込まれた笑いは「悪ふざけ」的なもので大いに笑える。そこかしこに小ネタがばらまかれていて、どうでもいいような会話や、後ろで流れているテレビの中にまでネタが満載だ。惜しいのは、字幕翻訳によって英語でのジョークが完全には伝えきれていない点だ。かなり奮闘されているがやはり難しいのだろう。個人的に良いと思ったのは「性技の味方」という訳で、もう一歩行けたのではないかと思うのは「マニュアル車」の部分だった。こういうジョークの翻訳は様々な映画でいろいろな試みがされていて、訳者さんの苦労が伺える。

 全編に渡ってさっぱりした笑いに満たされていて、登場人物はそれぞれに問題も抱えているものの悲壮感はなく、被害者さえもそれほど傷ついた感じではない。すっきりと後味の良いコメディと言える。

2017年11月24日