加藤 紀人さん
「加藤一族」といえば、「蜂屋」や「味乃やまびこ」など家系(かけい)のほとんどが業界に携わる、旭川ラーメンの草分け的存在。頑固なまでに「変わらないこと」で手に入れた信頼を糧に今日も麺作りに励みます

小麦粉は生き物だ!3代
守り続ける伝統の麺作り

 ひんやりとした地下作業場に響く製麺機の音。手際良く麺を仕上げる熟練の職人たちの作業風景は、今も昔も変わらずこの場所で続けられてきました。「うちの麺はスープの味を壊さない。加水率が低く、防腐剤などを使わない昔ながらの製法だから、雑味のない小麦本来の旨みが溶け出してスープをよりまろやかにするんです」。そう話すのは加藤紀人さん。旭川市内で三代続く製麺所の株式会社加藤ラーメン代表取締役社長です。

 先代から「小麦粉は生き物だ。人が気温や湿度で体調が変わるようにその日、その瞬間ごとにしっかり向き合え」といつも叩き込まれていた加藤さん。長年の麺作りで培った経験をもとに、自身の感覚だけを頼りに加水率などの配合を調整しています。

 独自の発想で麺の保存性も高めました。従前の製法ではどうしても麺が日持ちしないのが悩みでした。何か良い方法はないかと模索する中、ホタテの貝殻を焼成して抽出した天然エキスと出会い、麺作りに取り入れます。「このエキスには抗菌作用があって、酸化を防いでくれるんです。自然由来なので安全性も高い」。

 そんな手間と工夫を惜しまず作り上げられた麺は、旭川市内の有名店はもちろん、全国各地で受け入れられています。「一昔前は加藤の麺は日本一高い!なんて言われたこともあったけど、昔ながらの製法だと、どうしても割高になってしまう。それでも使い続けてくれているのは信頼の証だと胸を張っています」。加藤さんたちが代々作り上げてきた麺は、いつの日も主役ではなくスープを引き立てる老練な脇役なのです。

株式会社加藤ラーメン
旭川市4条通21丁目右6号
0166-31-5221
営業時間/7:00〜16:00
(土曜、第3火曜、祝日は〜13:30)
定休日/日曜、第3水曜

2017年9月12日