トランスフォーマー 最後の騎士王
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アーサー王と円卓のロボ

 話としては前作「ロスト・エイジ」の続編という形になるわけだが、今回は最初の三作に登場していた人物も登場するなど、初期三部作とのつながりも感じさせるようになっている。前作で予感させられていたものがファン垂涎の形で登場する。ヨダレの出すぎに注意が必要だ。

 本作の軸になっているのは、「トランスフォーマーたちは太古の昔から地球にやってきていてこれまでの歴史の中で暗躍していた」という設定だ。もちろんこの映画シリーズが始まった当初そんな話はまったくなかった。前作のダイノボットの登場あたりも後付け設定だったが、今回はアーサー王伝説にもトランスフォーマーが絡んでいたという大変なお話になっている。人類の歴史にはずっとトランスフォーマーたちが寄り添っていたのだ!

 ストーリーどころか根本的な設定すらも以前のものを踏襲することもあまり意識されていないようだ。その荒唐無稽な話をかなりのテンポでポンポンと展開していく。小気味よいというよりはいささかめまぐるしい印象を受ける。映像も技術の向上のためか変形シーンの大安売りでずっとクライマックスのようなめまぐるしさである。逆にそれゆえにドハデな映像は存分に楽しめる。

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ケン坊がさらに語る!WEB限定おまけコラム

この記事には映画のネタバレが少々含まれているので、まだ映画を見ていない人はその点をご承知おきの上で読んでください。

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 冒頭からもう置き去り感がすごい。前作がどういう話だったか必死で思い出そうとするも、よくわからないことになっている。宇宙を漂う死体みたいな状態のオプティマスがサイバトロン星に帰還する。どう見ても墜落したようにしか見えなかったが「帰還」だ。宇宙を漂っている間は死んでいるみたいだったが、到着したら元気に立って歩いている。オプティマスが対峙した相手は創造主。これは前作で存在が示唆されていたものだが、やはりというかなんというか「クインテッサ」と名乗る。クインテッサは地球のことを「ユニクロン」と呼び、地球では「ヘッドマスター」である執事ロボットが登場する。あちこちに往年のトランスフォーマーを思わせる要素が登場してとにかく熱い。

 予告編ではオプティマスが人類の敵になってしまった状態が見せられたわけだが、冒頭でクインテッサによって洗脳されてしまい、「ああこういうことなのね」といきなり判明した。が。驚くのはそこからなのだ。オプティマスはここからややしばらく登場しない。

 地球ではオートボットもディセプティコンもなく、トランスフォーマーは全部敵、みたいなことになっている。TRFというなにやらダンスグループみたいな名前の対トランスフォーマー専用部隊まである。そうした状況の中、サイバトロン星そのものが地球へ接近してきて、地球からエネルギーを吸い尽くすとかいう「インデペンデンスデイ」級の展開になるのであった。

 この途方もない話に、アーサー王伝説にもトランスフォーマーが絡んでいた、というすごい設定が加わる。バンブル・ビーなどは第二次大戦にも参加していた、とかいうエピソードが紹介される。後付け設定としては大胆すぎるものをどんどん投入していて細かい整合性も何もあったものではないのだが、もともと派手なら良いというシリーズなのでこれで問題ないのだ。

 最終的には大方の予想通り、洗脳オプティマスが復活してしれっと元の位置に収まり、大団円となる。毎度思うが、オプティマスの変わり身の早さはなかなかだ。さっきまで敵だったのに意識が戻ったとたん「私に続け!」って平然と言えるあたり、やはりタダモノではない。

 今回もメガトロンは全然死んでいない。まだまだいくらでも登場するだろう。ラストシーンは次回予告みたいなもので、この途方もないシリーズはまだまだ続くのだ。個人的にはこのシリーズは大好きなのでいくらでも続いてほしいところだが、映像的にはすでに飽和してしまっていて、「ダークサイドムーン」あたりをピークに驚きも薄まってきているのでもう少し落ち着いてお話を見せる方向へ行ってくれると嬉しいのだが。

2017年8月10日