ザ・マミー 呪われた砂漠の王女
©Universal Pictures

世にも恐ろしい眠り姫

 トム・クルーズ主演で迫力映像満載のアクション映画。ということで超メジャー級映画のはずだが全編にわたって怪しげなB級感が漂っている。いや、漂っているなんてものではない。溢れ出ている。

 トム・クルーズ演じる主人公がそもそも何者なのかよくわからない。軍曹と呼ばれているが軍人ぽくはないし、コソ泥っぽいことをやっているようだが悪人ぽくもない。走ったり潜ったり囚われたりするがイーサン・ハントっほど頼もしくもない。その主人公がなにやら砂漠の下から大変なものを掘り出してしまう。サブタイトルによれば「呪われた砂漠の王女」らしいが、どちらかというと王女が呪う側のように見える。

 予告編ではその王女と思しき大変なものがものすごい力を発揮していて、あんなのをどうやってやっつけるんだろうかと思っていたわけだが、その点についてはなかなか予想を超えた展開が待っている。「おぉ、そう来たか!」ではなく「え、どうすんのそれ?」といった意外性だがそれも含めて面白い。超メジャークオリティのB級映画ということで私の好物だった。吹き替え版ではその悪魔みたいな王女を意外な人が演じていてさらにもう一つビックリできる。

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ケン坊がさらに語る!WEB限定おまけコラム

この記事には映画のネタバレが少々含まれているので、まだ映画を見ていない人はその点をご承知おきの上で読んでください。

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 まさに「ハムナプトラ・インポッシブル」とも言うべき、エジプトの神秘とトム・クルーズの邂逅である。トム・クルーズ演じる主人公はインディ・ジョーンズやベン・ゲイツ(ナショナル・トレジャー)のような考古学者ではなく、どちらかというと盗掘屋に近い存在。そんな彼が歴史的に大変ヤバいものを掘り出してしまい、えらいことになるというお話。掘り出してしまったのは悪魔のようなものと契約してしまった太古の王女様ということで、カラスやクモを自在に操ったり、生きている人間から生気を吸い取ってゾンビ状にしてしまうなど、悪魔的な力を発揮する。そんな悪魔的な王女様はさらに危険な匂いのする「死の神」というやつを呼び出そうとする。この辺の話は『コンスタンティン』のようだ。

 キーになる脇役としてジキル博士が登場する。このジキル博士は「ヘンリー」というファーストネームなのであのジキル博士本人だと思われる。もちろんハイド氏への変身も描かれる。あの作品は19世紀のお話だし舞台もたしか19世紀だったと思うが、そのジキル博士が現代に実在するような世界として描かれている。

 掘り出した王女は生きたままミイラにされたということでゾンビと化してよみがえり、さらにその悪魔的な力で死者を蘇らせてしもべとする。その結果きわめてゾンビ映画的な光景が繰り広げられる。格闘シーンにしても相手がゾンビ(というか大変古い死体)なので殴れば崩れてしまうし、顔を突き抜けた拳がそのまま抜けなくなったりと、普通のアクション映画にはない奇妙なアクションが見られる。

 最終的にその悪魔的な王女様に普通の人であるところのトム・クルーズがどうやって対抗するのか、という話になるわけだが、ここでなかなか意外な展開が待ち受けている。序盤からオカルト的な要素を織り交ぜつつ話が進行するため、終盤ではもはやたいていのことでは驚かない状態になっている。それでもなお驚きに満ちたラスト10分である。まさかの続編を期待させられるような幕切れであり、その余韻を楽しみつつエンドロールを眺める。

 そして吹き替え版の場合はエンドロールが全部流れ切った後に吹き替えキャストのクレジットが表示されるのだが、ここでもう一発驚きを提供される。悪魔な王女様、まさかのそんな人が!?本編の芝居を見ている限りではまったく気づかなかったため驚きはひとしおであった。

2017年8月4日