辛い牛肉の麻婆豆腐
 開店から3年。自分のことを無欲と言う女将に対し、いやいや、なかなかに挑戦的なメニューだと、多くの常連たちのお気に入りとなったのがコレ。
 唐辛子や山椒が効いていて、その名の通り確かに辛いが、牛肉をじっくり炒めて引き出したまろやかな旨みが相まって美味。酒を合わせるならコクある純米を人肌で。両者の旨みが溶け合い癖になること請け合い。

気づけば病みつき
その旨さは辛さと
ぷるぷる食感にあり

 大勢に好きな中国料理は何かと尋ねたら、多分一位、二位を争うんじゃないかと思う。それ程、日本人にあまねく知られた中国料理、それが麻婆豆腐である。

 もとは辛味も独特な四川料理。日本人の舌に合うようアレンジされたものが普及したらしいが、おかげで、どこで食べても麻婆豆腐は麻婆豆腐と、そのスタイルは嬉しいほどに画一的だ。

 というのも、材料は豆腐(当たり前だ)。大概は肉やニンニク、ネギなどを使い、豆板醤、甜麺醤を加えたら、とろみ仕上げがお約束。これ以外の麻婆豆腐があるなら持って来い、と言いたくなるほどの期待を裏切らない定番っぷり。それがどんなに辛かろうが甘かろうが、自分などは心が癒される思いがする。つくづく「ああ麻婆だな」と。

 何より、麻婆豆腐は中国料理でありながら、専門店以外でも、例えば街の食堂や居酒屋なんかでも扱われていて重宝。酒類と相性が滅法良いというのもクセモノだ。で、そこでどうなるか。オチを書くまでもないだろう。

2017年4月21日