北村 秀文さん
相手は生きもの。発酵という世界ではたまに予測不能、原因不明の事態との遭遇があるとか。そんな事件さえ「地道な試行錯誤を続ける底力になるんです」と、北村さんはいつも前向き

飽くなき探求心を胸に
杜氏として担う男山の酒造り

 酒造りに必要なもの。それは経験豊かな人間による判断力や発想力。昔に比べ機械化が進んだ現代でも変わることなく、これなくして、良い酒は生まれないと言われます。

 男山の酒蔵でそれを担うのが杜氏の北村さんです。杜氏とは酒造りを指揮する、蔵の最高責任者。日本酒業界に古くから伝わる伝統的な呼称ですが、その責務も昔のまま。複雑かつ繊細な工程の中で臨機応変な対応力が求められる難しい仕事です。

 写真は酒蔵で蒸し上がったばかりの酒米を手にする北村さん。酒造りに対する信条は「常識を疑って取りかかる」ことだと言います。「相手は生きもの。いつも思い通りにいくとは限りません。だから、いつも試行錯誤の連続です」と醸造の難しさもちらり。

 とは言え、苦労が報われる瞬間も。毎年実施される全国新酒鑑評会での入賞です。「采配を振るいカタチにしたものが評価されるのは嬉しいこと。培ってきた男山の酒造りの原理・原則を後進に伝える上で自信につながります」と至って実直な北村さん。

 この姿勢を会社や社員は、歴代の杜氏の中で最も真面目な男だと高評価。責任者になっても相変わらず「現場の人」らしく、仕込みに大忙しの冬場は、自ら連日の泊まり込みとか。

 杜氏の職に就いて七年。北村さんを杜氏に抜てきした社長が、その理由をこう言ったそうです。「彼の舌は自分と同じだ」。

 このメッセージは、会社と北村さんの、作りたい酒が同じ理想を抱いていることの証とも受け取れます。

 そんな信頼を得て、北村さんは今後も、同社の看板ブランドである「生酛純米」の味わいをさらに高めることや、道産米による増産など、多くの課題に取り組んでいくそうです。

男山株式会社
電話 0166-48-1931

2017年4月21日