今夏、35年の歴史に幕
地域の思いを乗せた大輪の花

旭川の夏を彩る風物詩として親しまれてきた「花火 in KAGURA」(旭川市両神橋上流河川敷)が33回目を迎える8月14日(月)、その歴史に幕を閉じます。地域住民が大切に育ててきたイベント。3000発の大輪の花が、有終の美を飾ります。

有終の美かざる3000発

花火inKAGURAは旭川南商工会(現あさひかわ商工会)青年部の企画。「この街をもっと好きになり、他地域の人にもPRしたい」と、地域住民や盆に帰省する家族に向け、夏休み最後の思い出に手持ち花火を楽しむ「子供花火大会」としてスタートしました。

大会は回を重ねるごとに拡大し、昭和63年には営林局野球場跡地で14発の打ち上げ花火を実施。翌平成元年には名称を「音と光のファンタジー花火 in KAGURA」に変え、現在まで続く本格的な花火大会の礎を築きました。その後は市民委員会や商店街、ボランティアも参画。大会の運営だけでなく、メンバーが煙火打上従事者の資格を取得することで経費を抑え、より多くの花火を打ち上げられるように。以来、ライトアップした幻想的な雰囲気の中、音楽に合わせておよそ3000発を打ち上げる花火大会として人々に愛されてきました。

しかし近年は、協賛金の減少やスタッフの高齢化、人手不足もあり、コロナ禍には打ち上げ自体を中止。協議を重ねた結果、安定した継続が難しいことから終了を決定しました。実行委員長の増沢さん＝写真下・前列中央＝は「これまで協力いただいた皆さまには感謝とお詫びを申し上げます。最後になりとても残念ですが、熱い夏の思い出として皆さんの記憶にいつまでも残るような大会にしたいです」と話しています。

打ち上げは午後8時15分頃から。駐車場の用意がなく旧会場付近への入場は不可。自宅などから観覧してください。問い合わせはあさひかわ商工会(TEL：0166-48-1651)へ。